【イベント報告】 ONE PIECEから世界を読み解く〜海賊漫画から見る世界の現実〜

こんにちは!
ピースボートセンターおおさか(ピーセンおおさか)でボランティアスタッフをしているアブラヤサエ(通称かかお)です。今回は、先日私が参加した「大阪BKK(勉強会)ウメダ大学」についてみなさんに紹介したいと思います。

そもそも大阪BKKウメダ大学とは…?

“これから世界に出て行く方々に向け身近なことから世界に興味を持つキッカケを作る“イベントです。世界に対する学びを深めたい人や、世界を知りたい!という人を対象にピーセンおおさかで木曜日の夜に開催しています。ピーセンおおさかは大阪のど真ん中、梅田にあるので、名付けて「ウメダ大学」です。私が参加した5月17日のウメダ大学がピーセンおおさか初の企画で、記念すべき開校記念日でした。

まんが「ONE PIECE」には現実世界の出来事がつまっている

今回のテーマは
「ONE PIECEから世界を読み解く〜海賊漫画から見る世界の現実〜」

皆さんはONE PIECE、ご存じですか?ONE PIECEは海賊を夢見る少年とその仲間たちが「ひとつなぎの大秘宝(ワンピース)」を手に入れるために地球を一周するお話です。講師はONE PIECE研究家のピースボートスタッフ、飯島健さんです。

実は私は、ONE PIECEを一度も見たことがありません。しかし、世界のことを少しでも知りたい!という思いで参加しました。

講義を聞いてびっくりしたのは、ONE PIECEは…

  • 登場人物の名前には実在した海賊たちの名前を使用していること
  • 実在する国や地域も参照としていること
  • 漫画で起こる出来事は実際に世界で起こった事や今現在も起こっている事に似ているということ

です。

ドラム王国から見る世界〜カンボジアの虐殺〜

その中でも特に私の心に残ったポル・ポト政権についてお話しします。

ONE PIECEのエピソードの中で、自分の言うことを聞かない人、反抗する人、そして自分より賢い人を虐殺するというドラム王国の王がいました。その王と同じようなこと、またはそれ以上のことをしたのが、カンボジアのポル・ポト(本名サロット・サル)です。

ポル・ポト政権では、6人に1人が理不尽な理由で虐殺されたといいます。さらに、内戦で埋められた地雷は終戦から20年以上経った今もカンボジアに約600万個埋まっており、未だにカンボジアの人々の生命や生活を脅かしています。

私は99回クルーズでカンボジアの地雷検証スタディーツアーに参加する予定で、ピースボート地雷廃絶キャンペーンP-MACがおこなっているカンボジアから地雷をなくすための街頭募金活動にも積極的に参加しています。しかし私は、ポル・ポト政権のことについて正直何も知りませんでした。なので今回の講義でポル・ポト政権の恐ろしさや異常さを知ることができ、とてもいい機会となりました。

何も知らないまま現地に向かうよりも、知識を付けてから向かう方が感じることや気づくことの幅が広がるんだろうと思い、カンボジアも含めてそれ以外の寄港地の歴史や知識をもっと身につけたいと思えるようになりました。

魚人島から見る世界〜KKKとヘイトスピーチ〜

もう一つお話ししたいのは、「差別」についてです。魚人島という場所に魚人(半分人間半分魚の架空の人種)の町があり、人間と仲良くした魚人たちは家を焼かれるというシーンがありました。これは、アメリカのKKK(クー・クラックス・クラン)という白人至上主義団体によく似ています。KKKは黒人にリンチを加え虐殺をするだけでなく、黒人を擁護する白人にも暴力をふるいました。

虐殺とまではいきませんが、今の日本でも同じようなことがあります。それは、在日コリアンに対するヘイトスピーチです。なんの罪もない在日コリアンたちが日本にいるだけで差別を受けてしまう、そんな悲しいことが今もまだ起こっています。

私には数人在日コリアン、在日コリアン3世の友達がいます。私にとってただの横文字に過ぎなかったヘイトスピーチという言葉が、彼らと出会ったことでただの横文字ではなくなりました。同時に、今まで知らなかった自分が恥ずかしくなり、また申し訳なくなりました。

身近なキッカケが成長の第一歩

キッカケ一つで人はもっと勉強したい!と思えるようになったり、意識や考え方が変わったりします。私は今回の講義を受けて、今までそんなに興味のなかった世界の歴史についてとても興味が湧きました。高校の頃もっときちんと勉強しておけば良かった…と思ったりもしますが、過去は過去。もう一度歴史の教科書を開いてみたいと思います。知らないことを知らないまま無関心でいるよりも、一歩歩み寄ってみることで、こんなにも幅は広がり自分を成長させてくれるんだなと感じました。

 

※ウメダ大学はピースボートボランティアスタッフを対象に毎週木曜に開催しています。また、月1回はどなたも参加していただけるオープン企画もあります。次のオープン企画は以下を予定していますので、是非お越しください!

「この京都の片隅で~ある在日の話~」
日時:6月7日(木)
講師:ちゃんへん.さん(世界的パフォーマー)
参加費:500円
詳しくはこちら

 

文:アブラヤサエ 編集:森田幸子