世界を学ぶ、世界を楽しむ、世界に想いをはせる7冊

読書で脳内探求の旅をたのしみましょ。

こんにちは。ピースボートスタッフの森田幸子です。みなさん、いかがお過ごしでしょうか?新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大にともない、ピースボートセンターは閉局していましたが、6月1日に再開しました。ボランティアスタッフ活動やイベントについては、様子を見ながら段階的に再開していきますので、その際にはまたみなさんにお知らせしたいと思います。

ピースボートでは緊急事態宣言が出た直後から、可能な限り在宅勤務を実施することになったため、わたしも自宅で仕事をしていました。普段はピースボートセンターおおさかで勤務していますが、自宅は京都の田舎にあります。電車は30分に1本、最寄り駅はハイキングコースのスタート地点、大型の鳥がよく上空を滑空しているのどかな小さな町で、ほぼ2か月間こもっていました。

そして、おそらくこの間に動画をみることが多くなった人がいっぱいいると思いますが、ハリー・ポッターを全作、バック・トゥ・ザ・フューチャーも全作、その他いろんな映画、M-1グランプリ2001~2018などなど満喫していました。20年前からめちゃくちゃおもろい中川家さん、最高。

そして、本を読む時間もいつもより少し増えました。元々読書は好きで、引っ越す時も駅近と同時に(本屋さんはない地域なので)図書館に近いことも重要視して選びました。緊急事態宣言が出てからはいつも以上に図書館を使ってたんですが、すぐに図書館も閉鎖になってしまい、家にある本を読み返したりしていました。

ということで、最近読んだ&読み返した本の中から、いろんな国や国際交流、国際協力、世界の社会問題に興味ある人におすすめのものを選んでみました。その本の内容に関係あるピースボートの活動記事も一緒に紹介しているので、よろしければご覧ください。

1.「表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬」

若林正恭 著  KADOKAWA

芸人さんが書いた本って好きなんです。しゃべりのプロなので、書かれた文字を読むというよりもその人がしゃべっているのを聞いている気分になるので。オードリーの若林さんがキューバに1人旅に出かけた体験と、そこで考えた社会システムや自分自身のことがつづられています。若林さんと一緒に旅気分が味わえます。

角川書店「表参道のセレブ犬とカバーニャ要塞の野良犬」 

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2.「カンボジアに村をつくった日本人: 世界から注目される自然環境再生プロジェクト」

森本喜久男 著 白水社

内戦で破壊されたカンボジアの伝統的な絹織物を復興させた森本喜久男さんの自叙伝。森本さんには何度か会いましたが、彼の静かさと力強さを感じさせるお話を聞いていると、平和と豊かな自然環境の大切さを再認識させられました。「伝統は守っちゃいけない。つくるものだ」という森本さんのことばが印象的でした。社会的企業やソーシャルビジネスの先駆けの先駆けのような存在です。

白水社「カンボジアに村をつくった日本人: 世界から注目される自然環境再生プロジェクト」

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3.「パクチーとアジア飯」

阿古真理 著 中央公論新社

パクチーが大好きなので、タイトルと表紙にひかれて読んでみた本です。パクチーの話かと思いきや、食を通じて知るアジアの人々との交流、戦争と平和、難民、移民の話でした。 パクチー嫌いの人にもおすすめです。

中央公論新社「パクチーとアジア飯」

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4.「深海ザメを追え」

田中彰 著 宝島社

昔からの時の流れを感じさせてくれるサメが好きなんです。今生きているサメは1億年以上前に出現した種といわれています。そして多くの生態が謎に包まれています。ロマンを感じませんか?つい最近は「幻のサメ」と呼ばれているメガマウスが東京湾の沖合で発見されたというニュースもありましたね。世界中の海に広がるふしぎでユニークなサメの生態を楽しんでください。

宝島社「深海ザメを追え」

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5.「82年生まれ、キム・ジヨン」

チョ・ナムジュ 著 斎藤真理子 訳 筑摩書房

女性が生きていくうえでぶつかる困難や差別が描かれています。韓国が舞台の小説ですが、日本でもそのほかの国でも、多くの女性がこの本の中に「わたし」を見つけるんじゃないでしょうか。そして、男性はこれを読んでどう思うんでしょう。知らない世界なのか、気づいているのか。性差別はすべての人が無関係でいられるものではないから、女性男性関係なく読んでもらいたいです。

筑摩書房「82年生まれ、キム・ジヨン」

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6.「ぼくの村は壁で囲まれた―パレスチナに生きる子どもたち」

高橋真樹 著 現代書館

イスラエルとパレスチナについて知っていますか?宗教問題だとか民族問題だとかに集約されがちだけど、じつは違います。パレスチナ問題をむずかしい政治的なものではなく、そこに暮らす人々のはなしとして見ると、本質が見えてきます。この本には人々の声が詰まっています。著者の高橋真樹さんは「パレスチナから世界が見える」と言います。この問題を知ることは世界のさまざまな問題を知ることにつながります。

現代書館「ぼくの村は壁で囲まれた―パレスチナに生きる子どもたち」

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7.「宝島」

真藤順丈 著 講談社

米軍占領下の沖縄が舞台の小説です。奪われた故郷を取り戻すために立ち上がった若者たちの生きざまを描いています。沖縄の伝統的な踊りのエイサーやカチャーシーが随所に出てきて、圧倒的なエネルギーに満ち溢れた物語です。ぜひ沖縄音楽とともに楽しんでください。この話はフィクションですが、このころから沖縄の基地問題はいったいどれくらい進展しているんだろうと考えてしまいました。

講談社「宝島」

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非常事態宣言は解除されましたが、新型コロナウイルスの感染については終息していませんし、第2波への備えも必要になってきます。以前よりも外出の機会が減ってくると思いますが、今だからできる本を通して世界とつながる時間をつくってみませんか?そして海外に出かけることができるようになったときには、きっと本から蓄えたものが役立つはず!

 

ピースボートスタッフ 森田幸子