記憶に残る「P-1グランプリ」-大阪ピーセンの軌跡-

ピースボートセンターおおさかのブログを初めてボランティアスタッフが書いてくれました!

そんな記念すべき第一号は、先日開催されたPー1グランプリ団長、野々村修平くん(通称:オイスター・あだ名の由来は本人に!)。P-1グランプリを終えた今、団長が語る熱い想いをどうぞ!

はじめに…

第94回「P-1グランプリ」(以下P-1。P-1グランプリについてはコチラ):1月30日~2月4日に開催され、P-1の団長を務めました、ボランティアスタッフの野々村修平(通称:オイスター)です。

白熱したP-1の結果報告とともに、大阪の地で6日間戦い抜いた「ピースボートセンターおおさか」(以下、大阪ピーセン)の2ヶ月間の軌跡を団長の視点から書き留めています。初めてこのブログを読まれる方にとっては、共感されにくい内容になっているかもしれません。でも、大阪ピーセンってこんなにも素敵な場所なんだなって少しでも思ってもらえると幸せです。

 P-1の団長はこんな人 -僕が「地球一周」をする理由-

ピースボートセンターに訪れるボランティアスタッフには、 それぞれ「地球一周」という目標があります。僕は、4月に出航を迎える、94回クルーズに乗船を予定しています。

今から楽しみにしている国は、フィンランド・スウェーデン・デンマーク(^^)/

僕が地球一周をする理由

昨今、留学はもちろん海外に出ることに対する敷居はどんどん低くなってきました。そのような現代に僕が感じることは、若者が持つ海外についての “意識の二極化” です。一つは、海外への興味から始まり、実際に海外に足を踏み出せる人。そして、もう一つは、海外への興味を示すも、できない理由を最優先にして自分に「できない」というベールを被せてしまう人。

例えば、「親が認めてくれないから」という理由をよく耳にします。でもこれって、できない理由を親に転嫁して逃げているだけではないでしょうか?本当に海外に行きたい気持ちがあるのなら、家族という一番身近な存在に対して、自分の想いを伝えられるような真っすぐな気持ちを持ってほしい!

間違ってはならないことは、海外に行くことが必ずしも正解とは限りません。しかし、僕たちがメディアを通して毎日見ている世界は、本当に正しいものなのでしょうか?

そのように疑問を感じられる心を、多くの人に大切にしてもらいたい。それが僕の素直な気持ちです。

僕が海外に出る理由は、常に1つだけです。

自分の知らないことは、自分の目で確かめる

飛行機ではなく船という環境を選んだ理由は、移動の時間も含めて外の空気や風、香りと常に触れ合うことができるからです。それだけ長く「僕の知らない世界」を肌で感じていたいと思いました。そして、自然が作り出す風景、様々な国の姿を自分の目で1つずつ見ていきたいんです。

僕が「地球一周」をする理由は、自分の足で世界中の「教育」の姿を見るためです。現在僕は、教育の研究を進めながら現場で仕事についています。教育が発展している国だけでなく、教育を受けることが困難な地域の “ありのままの姿” を日本に持ち帰り、日本が抱く教育の価値と重ね合わせていきたいと思っています。

P-1に向けて、大阪ピーセンが取り組んできたこと

そもそもP-1って何?(第94回P-1の概要)

全国の5ヶ所に散らばるピースボートセンター(東京・横浜・名古屋・大阪・福岡)が、決められた期間に一斉にポスターを貼り出し、期間内に、①貼ったポスターの枚数、②ポスターを貼りに出かけた人数をセンターごとに競います。いわゆるポスター貼りの全国大会のこと。

下記URLから過去の記事を参照ください。

【予告!】P-1グランプリを開催します!

ついに開幕!P-1グランプリ!

大阪ピーセンのコンセプト

「全人未踏」(前人未踏の誤字ではありません!)これが、今回のP-1に向けて大阪ピーセンが掲げたコンセプトです。

今までとは全く異なる大阪でありたい!

「大阪ピーセンが到達したことがない未知の場所に踏み出すこと」と希望を込めて、このコンセプトを掲げました。これまで、名古屋ピーセンが6連勝を成し遂げているP-1。他のセンターがやっていることを少し良くした程度では大阪に勝ち目はありません。だからこそ、新しいことにチャレンジして果敢に挑戦していきたい。

僕が団長になった理由は、大阪ピーセンはこの程度じゃないと思っていたし、優勝すること自体、難しいと思わなかったからです。だからこそ、みんなが本気になれる空間を作りあげたいと感じました。

大阪ピーセンは、6日間でどれくらいのポスターを貼るのか

大阪の枚数目標は、10000枚!!!

ピースボートには、ポスターを貼ることによって乗船時に船賃が割り引かれるボランティアスタッフ割引のシステムがあります。船賃全額を割り引くこと(略語:全クリ)には、現在29歳未満であれば、3000枚のポスターを貼ることが目安になります。

目標数である10000枚とは、約3人が無料で船に乗ることができる数に相当するのです!

ちなみに前回のP-1で大阪ピーセン全体で貼った枚数は、3934枚でした。

「できない」と思えることにワクワクしよう!

「前回5000枚も貼れていないのに、倍以上のポスターを貼るなんて現実的でない!」

そのような声が聞こえてきそうですが、挑戦もしないで、「できない!」なんて言いたくない!

「偶然の勝利は存在しても、偶然の敗北は絶対に存在しない」僕は、この言葉が好きです。

失敗には、必ず理由があります。

その理由に気付くことができたら、あとは準備をするだけ。とても単純なことなんですが、多くの人は気付けないんです。いや、気付いていないフリをしてるだけ。

いよいよP-1グランプリ開幕

P-1の様子

P-1は朝から夜まで30人ほどのボランティアスタッフでポスターを貼りに行きます。

 

雪が降る中、自分のためだけでなく、「オイスターさんのためにポスターを貼りました」と伝えてくれたメンバーまでいました。

最終日には、参加を考えていなかったポス貼り船士がぞくぞく参加表明をしてくれ、6日間の中で最高人数を記録!(異例の快挙!!!)

心の中ではしんどいし苦しいはずなのに、みんな笑っていてくれる。

このようなメンバーに囲まれて6日間過ごせたことを本当に誇りに思います。

大阪ピースボートセンターの結果

枚数部門:9567枚

回数部門:174回

第94回 P-1グランプリ、全センター中の最高枚数・回数を達成!(大阪ピーセンの歴代最高記録!

目標枚数には、あと一歩到達できませんでしたが、直前のメンバーの様子を見ている限りでは本当に全員が一致団結し最高のパフォーマンスをしてくれました。

94回の歴史を誇るP-1において、大阪の最高記録を打ち出せたことは、すべてのスタッフ・ボラスタにとって大きな価値になりますし、これからの自信にしてもらいたいと思います!

残念ながら、各センターの規模を考慮し、目標設定における達成率を競うことがP-1 のルールとなっています。そのため、大阪は第2位としてP-1の幕を閉じました。

P-1のために仕掛けた団長の戦略

大阪の歴代最高記録を受けて、団長がしてきたこと

ピースボートセンターに通う人たちは、年齢も職業も多種多様、通う頻度だってバラバラ。

そのような人たちを、同じ方向・目標に向かわせることが、P-1の一番の難題でした。

勝負にこだわると失敗してしまうことは目に見えています。自分自身のためにポスター貼りをしていると、どんどんモチベーションが下がってしまいます。結局、自分のためなので休んだとしても誰かに責任を問われることもありません。だから気が緩んでしまっていたのではないでしょうか。いままでのP-1は特に後半に成績が下がり、枚数も回数も減少の傾向にありました。

どうしてもこの傾向を防ぎたかった!

1人でも多くのメンバーが「誰かのために」ポスターを貼りに行くことが必要でした。

同じ方向・目標に向かうメンバーの気持ちを団結させるために

みんなのことを知りもしないで全員が一致団結なんて無理!

とにかく全員のことをもっと知らないと!

そう感じて僕がしたことは、すべてのメンバーの「地球一周」を目指す理由を知ることでした。そして、全員が通いやすく、過ごしやすいセンターになるように土台を作っていくこと。それらに焦点を当てていくことを優先にしていきました。

目標が決まればあとは行動!最初に実行したことは、毎日大阪ピーセンに通うことです。

これだけは誇れます!どのスタッフさんよりも、この2ヶ月間は出勤していました(笑)

みんなのバックグラウンドを知るためには、とにかく時間が必要。それだけみんなと交流する時間を大切にしてきました。毎日見ていないと発見できないことなんて実は、いっぱいあるんです。

「理想の環境を作るには、意思だけだ」これも僕の好きな言葉です。

才能も自信も必要ありません。一番大切なことはそうなりたいって本気で思えるかどうか。

大阪ピーセンの全員が同じ方向に向かうために、そうなってほしいと最後の最後まで思い続けてきました。

知識やスキルじゃなくて、みんなを信じぬくこと、それが僕にできる唯一のことではないでしょうか。

団長が最も大切にしていたこと

僕の中でこの期間は、とにかく「ことば」を大切にしてきました。電子機器が流通する世の中に対して、あえてアナログな感性なんですが…

パソコンで書いた電子的な「ことば」ではなくて、一文字一文字に気持ちを込める手書きの「ことば」を大切にしたかったんです。P-1の始まりから終わりまでの期間を含め、何度にわたって腱鞘炎になったことか(笑)

気付いた人もいてくれましたか?

実はこの2カ月間、大阪ピーセンは僕の手書きの言葉で溢れていたんですよ!

【文章には特性がある】

「相手に見せる前に何度でも書き直しても良い」ということです。

僕は、この「直せる」という部分が好きなんです。

人っていくら努力をしても「直す」ことができない部分が山のようにあります。雰囲気とか外見とか、僕の意識の外にあるものなんて変える方法も分からないし、まず、張本人はそんなことに気付きもしません。

ボランティアスタッフのみんなが、団長の「モノマネ選手権」を勝手に開催するほど、僕自身も気付いていない癖がいっぱいあるようです(笑)

でも、そうやってみんなが僕のことを見ていてくれている、そう知れたとき、何にも代えようがないくらい幸せな気持ちでいっぱいになりました。

目の前の人を想える時間

「ことば」を書き留める時間は、ただその人のことを想える時間だと思っています。嫌でもその人のことだけを考える時間が、自然にできあがってしまうんです!

誰よりもみんなのことを知ることができたから、今度は「みんなのことをちゃんと知ってるよ!一緒に頑張ろう!」という気持ちを込めていきました。それは、「手紙」として「ことば」を残したり、壁一面にみんなの素敵な部分を書き留めたりと様々な形で表現したつもりです。

そして、「ことば」が相手に伝わったとき、誰よりも書き手である自分自身が、一番幸せになれます。その人のために一生懸命に書いたんですから。

誰かに文字として「ことば」を送る時間は、その人のことだけを想っていられます。

そんな時間を毎日繰り返していたので、僕は、かけがえのない「大阪ピースボートセンター」の一人一人の大切な人たちのために、本気になってこれたんだと思います。

最後に…

僕がこのセンターで本格的に活動を始めたのは、2016年の11月からです。まだボランティアスタッフを始めて、3ヶ月しか経過していないのに、大阪ピーセンの温かさに毎日触れさせてもらっています。

僕は、「みんなのために何ができたか分かりませんが…」という言葉が大嫌いなので、胸を張って伝えます。「団長として、みんなのためにできることは尽くしました!」

このP-1グランプリを含めて、ピーセンで過ごす毎日がみんなにとって最高の思い出になってくれていたらな、と思います。

僕も気付けば、2ヶ月後には船の上です。船に乗るために大阪でボランティアを続けているのに、船に乗ることが楽しみなのに、ここで出会ったメンバーと離れることが寂しくて仕方ありません。だからこそ、残された時間を大阪ピーセンの記憶に残せるように、毎日を大切にしていこうと思います。

大阪ピーセンのスタッフ・ボランティアスタッフ、みんなのことが大好きです!!!

ピースボートのポスターをみてくれたあなたへ

現在大阪だけでなく日本中には、98回クルーズのポスターが溢れています!

そのポスターは、ボランティアスタッフが町中を歩き、一つ一つ手作業で貼られています。1人でも多くの人の目に留まり、1人でも多くの人の「地球一周」の夢の第一歩になるように、僕たちはこれからもポスターを貼り続けていきます。

 

Peace boat volunteer staff Oyster