みなさま、こんにちは。ピースボートセンターおおさかの野々村修平です。
最近海外旅行していないな、とふと感じる今日この頃。
最後に訪れたのは2019年の冬頃でしょうか。当時は台湾をぐるっと一周したことが懐かしく思い出されます。
新型コロナウイルスがまん延してからまもなく3年が経過します。
現在の日本は訪日外国人の受け入れを強く制限していますが、外務省のHPを見てみると日本のパスポート所持者が日本を出国する制限はほとんど撤廃されています。
ということがわかったので、5日間の弾丸海外旅行に行ってきました!
旅行先は、ホーチミン(ベトナム)・バンコク(タイ)・シェムリアップ(カンボジア)・クアラルンプール(マレーシア)・シンガポールです。
5日間で5ヵ国を満喫してきました。
いざ、約3年ぶりの海外 ベトナムへ
現在の関空の国際線ターミナル周辺は、全くと言っていいほど活気がありませんでした。
2018年より就航したベトジェットエアのホーチミン線に搭乗しましたが、機内を一通り見渡しても日本人の姿はほとんど見られません。悲しい気持ちになります。
搭乗しているベトナム人の多くは、日本に仕事か留学で訪れており、夏休みで一時帰国するようです。隣の座席に座っていたベトナム人の青年が教えてくれました。
今回私が降り立った空港は、ホーチミン・タンソンニャット空港です。
ホーチミンは、ベトナム最大の都市です。最近は都市の開発が進み国際都市として栄えてきています。
かつてはフランス統治下でもあったため西洋風のコロニアルな建築が多く見られます。
昔はサイゴンと呼ばれ、ベトナム戦争では南ベトナム共和国の首都となった歴史を持つ場所でもあります。
物価は日本の1/3程度で、少ない費用で十分に楽しむことができました。
ドンコイ通りというメインストリートは「プチパリ」の別名を持っており、歩いているだけでわくわくします。
サイゴン中央銀行はベトナム建築文化財に指定されています。花の都パリにあるエッフェル塔の設計者であるギュスターヴ・エッフェルによって手がけらました。
ベンタイン市場ではショッピングはもちろん、屋台が軒を連ねています。
ベトナムといえばやっぱりベトナム料理!
私はとにかくアジア料理が大好きです。和食より中華・タイ料理・ベトナム料理を実は好んで食べます。
屋台では本格的な地元の味を堪能できるので、お勧めです。
ベトナムドンの日本円換算方法は「ゼロを2つ取ってから2で割る」という方法が主流です。
ホーチミン空港から市内メインストリートまではタクシーで約150,000ベトナムドンです。
150,000からゼロを2つ取ると、1,500、これを1/2すると750。つまり約750円で移動できますね。安い!
ベトナムは、ベトジェットエアを利用すれば日本から約5時間で到着可能です。
新幹線で東京〜博多間を移動する時間で、観光資源の豊富なベトナムに行くことができてしまいます。
タイで世界遺産観光のつもりが…
次はタイのバンコクです。治安も悪くないし日本人観光客も増えてきています。
今回の主な目的はアユタヤ観光でした。空港から列車に乗って世界遺産のアユタヤへ簡単にアクセスすることができます。
しかしバンコク・スワンナプーム国際空港に到着してから地図を眺めていると、隣国にカンボジアがあることに気がつきました。
どうやらカンボジアのシェムリアップ空港まではバンコクから約50分程度のようです。
実はカンボジアは訪れたことがありません。未開拓の地にはタイミングがある時に訪れるのが鉄則。
そのため急遽旅路を変更しカンボジアへ向かうことにしました。翌日早朝のフライトを予約しバンコクの市内のみの観光です。
なんだかんだでタイを訪れるのは5回目でしょうか?過去にタイの旅の記事を書いているので、ぜひご覧ください。
そして翌日、バンコクからカンボジアのシェムリアップへ移動しました。
LCCのエアアジアを利用する場合、前日に到着したスワンナプーム空港ではなく、バンコク市内のもう1つの空港であるドンムアン国際空港に移動しなければなりません。
ドンムアンはバンコクの中でもLCCを主要に取扱うローカル空港です。大きな空港も魅力ありますが、このような小規模な空港の雰囲気もまた旅を感じることができますね。
カンボジアで駆け足アンコールワット観光
カンボジア入国の際も査証が必要です。
イミグレーション手前で査証発行のカウンターが設けられているので当日に発行もできますが、多くの人で長蛇の列ができていました。
カンボジアは英語が比較的通じやすく、流通通貨も米ドルが広く普及しており観光がしやすいですね。
実は私のカンボジア滞在時間は4時間半しかありませんでした。
そのため十分に時間を確保できませんが、なんとかアンコールワットは見ておきたい!
欲を言えばその他のお寺も周りたい…。国際線だから2時間前くらいには空港に到着しておきたい。
いやこの空港めちゃくちゃ小さいぞ。このサイズ感だと出国審査と保安検査もそこまで時間はかからなさそう。
じゃあ1時間前を目安で空港に戻って来れば3時間くらいは観光の時間を確保できる?と脳内で試行錯誤を繰り返します。
結果的にこの考える時間すら惜しいので、先にカウンターで航空券だけ発行しておきタクシー乗り場でいざ交渉へ。
時間の指定があるためドライバーも割高な費用で交渉してきます。しかし今後の人生で何度もカンボジアに来ることもないだろうと、少し妥協して無事にチャーターに至りました。
もちろん可能な限りの観光地を回ってほしいとしっかりドライバーに無茶振りしておきます。
結果的にはアンコールワットとアンコールトム、そしてタ・プローム遺跡を見ることができました。基本的に早歩き&小走りでした。
そして、他のお寺も車窓観光しました。路上には野生の猿がたくさんいたのもアジアっぽかったですね。
正直なことをいうと、3時間でシェムリアップの観光を行うのは全くオススメしません(笑)。
帰路もドライバーが爆速で道路を駆け抜けてくれたおかけで、空港には余裕を持って到着。
まさかのラウンジでビールを飲みながら、フォー(ベトナムの麺料理)を食べる時間すら作ることができました。
タイで飲めなかったChang Beer(チャーンビール)で1人で乾杯。アジアのビールの中では個人的に一番オススメなビールです。緑色のパッケージに2匹の像が描かれています。
カンボジアのご当地料理は全くノーマークだったので、ベトナム料理とタイのビールと今までの観光地の余韻に浸りながら、ほろ酔いで次の目的地のクアラルンプールへ向かいます。
「新しい」と「古い」、「アジア」と「ヨーロッパ」が交じりあうマレーシア
クアラルンプールへはこれまでも来たことがあったんですが、到着すると「あれ?全然知らない空港だぞ?」と少し焦りました。
空港職員に尋ねてみると、どうやらクアラルンプールには2つのターミナルビルがあるようです。そして驚くことに、この空港は日本の成田空港の10倍の敷地面積のようです。
そしてふと気がつきましたが、この空港、どこか森の中にいるような暖かさを感じられます。なんだか懐かしい雰囲気。福井県の恐竜博物館に似ている…。
これがなんと正解でした! 恐竜博物館の設計者とクアラルンプール国際空港を設計された方は同一人物なようです。
それが、日本人建築家の故黒川紀章氏です。なんだか変な勘が冴えましたね。でも日本の建築家が設計した建物がアジアのハブ空港として多くの方に利用されていることは大変嬉しく思います。
クアラルンプール国際空港から、電車に乗って約30分で市内に到着します。
クアラルンプールの街には洗練された近代建築だけでなく、熱帯植物が生い茂る公園やモスクなどのイスラム建築、コロニアル建築、ヒンドゥー寺院などもあり、多国籍文化が垣間見られます。
中でも際立って存在感を表す建物が88階建ての超高層ビル「ペトロナス・ツイン・タワー」です。452mあります。モスクをモチーフとしたデザインが美しい!
クアラルンプールきっての屋台街「ジャラン・アロー」へも行きました。約200mの通り一帯に中華系を中心にタイ、インド、マレー料理などを供するさまざまな店が軒を連ね、活気と匂いに満ちていました。
屋台街はまさにアジアの活気を肌で感じられます。
シンガポールはグリーンな都市
最後は、シンガポールです。こちらもクアラルンプール空港同様、アジア屈指のハブ空港であるチャンギ国際空港に到着しました。
年間6,500万人もの観光客がこの空港を利用すると言われています。グルメからショッピングまで全て空港内で完結します。
チャンギはシンガポール政府が観光業に力を注ぎ、インバウンドを増やすために投資しているのだとか。
それだけ魅力度が高いチャンギ空港はスカイトラックス社(イギリスの航空格付け会社)の「世界ベスト空港」で世界一の名誉を8年連続で獲得しています。
どおりで桁違いの美しさと空気感、そして清潔さも滲み出ています。
シンガポールは数年前から入国審査手続きの電子化を進めており、パスポートのスタンプが廃止されちゃったんですよね。
入国許可が降りて数分後にメールで電子スタンプが送信されてきました。シンガポールは教育機関でのICT活用も積極的に導入しており、ICTの力でどんどんと成長していこうとしています。
そしてグリーンな都市を謳うシンガポール。空港も自然溢れるグリーンな空間を基調としています。
各ターミナルにはそれぞれ違ったテーマの庭園があり、サボテンの庭、バタフライ・ガーデン、オーキッド・ガーデンなど、乗り継ぎや出発待ちの休憩にぴったりな心癒される空間を探さなくても見つけることができました。
なんだか空気が美味しい空港です。
2019年に完成したJewel(ジュエル)にも行きました。以前チャンギに訪れた際は、まだジュエルは完成していなかったので初対面です。
チャンギ国際空港のターミナル1に直結する10階建ての複合施設「ジュエル」には、飲食店や有名ブランド、エンターテインメント施設が集結していました。
屋内では世界最大となる高さ40メートルの滝もあります。地上5階から地下2階まで、大迫力の滝を堪能できます。まるで滝に触れているかのような体験もできます。
昼間にはガラス越しに屋外の日差しが差し込み、キラキラと輝く中央の滝が上空から降り注ぎます。なんだかずっと眺めていられる世界観ですね。朝の8時には滝が音を立てながら流れ出す瞬間に出合えるので貴重です。
街に出て、マリーナベイサンズに向かいました。
3棟の高層ホテルに船のような形の屋上を載せた外観が象徴的です。2010年にオープンして以来、世界各国の観光客を集めています。
屋上(地上200m)からの眺めはまさに絶景! 急成長を続ける高層ビル群や貿易タンカーが停泊している海を見渡せます。
宿泊者限定の屋上インフィニティプールも見る価値ありです。私は宿泊経験がないので、いつも外から眺めるだけ。いつかは宿泊者しか入れない屋上プールに行ってみたいものです。
マリーナベイサンズの隣には巨大植物園があって、人工のツリーがひときわ目を引きます。空中遊歩道を散歩しました。
そして最後にカトン地区を訪れました。中心街から離れているため、穴場の観光スポットです。
カラフルな建物がならび、お店や民芸品を扱う雑貨店、カフェなどもあります。
シンガポールにきたならば名物のラクサは絶対に食べなければ!ということで、いただきました。
そんなこんなであっという間の5日間が過ぎ去っていきました。
WITHコロナ時代の海外旅行 日本はどうする?
海外では一年近く前から、多くの国が旅行客の受け入れを再開し、水際対策における制限の撤廃を表明してきました。
私が今回見てきたすべての国は、既に通常通りの海外旅行客の受け入れを再開していました。
では、日本はどうでしょうか?
日本は主要7ヵ国(G7)の中でも、明らかに外国人の受け入れ態勢が構築できていません。
多くの外国人観光客が来日することにより、更にコロナウイルスがまん延する、という不安はもちろん危惧されますが、制限ばかりを強いる世の中に悲観的な声も同時に多く聞こえてきます。
岸田首相は5月に、英国でのG7サミットで講演し、このように表明しました。
「新型コロナウイルスの水際対策を6月に緩める。主要7カ国諸国並みに円滑な入国が可能となるようさらに緩和していく」。
そして、「日本は今後とも世界に対してオープンだ。ぜひ日本にお越しください。最大限のおもてなしをする」と呼びかけました。
この後、緩やかに水際対策の緩和は実施されてきましたが、9月現在、大胆な緩和は実現していません。
諸外国では既にクルーズ旅行の再開や自由に国と国の間を移動することが可能です。
岸田首相は、国民の声を聞く「聞く力」をアピールして首相となりました。これら国民の声を早期に拾い上げ、1日でも早い制限を伴わない訪日外国人観光客の受け入れを望みます。
再び世界の人々と繋がれるように
個人旅行が主流になってきている昨今、外国人観光客が日本に訪れる理由は多種多様です。
四季の変化に富んだ日本の観光資源をはじめ、食や文化など、日本には外国人観光客を惹きつける大きな魅力があると信じて止みません。
最近ではワールドカップの勝敗に関わらず、試合後のスタジアムでゴミ拾いをしてから帰る日本人サポーターの姿がニュースやSNSなど海外でしきりに報道されました。
日本人の誠実さや他人を思いやる心など賞賛される場面も増えてきています。これらのように日本人に好意をもって観光に訪れる旅行客が増えてきています。
これは私が世界を周る中で実感してきました。
このような日本への誇りを強く持ち、再び世界中から人々が日本へ来る日常を、私たちが世界へ飛び出せる日常を願っています。
そして自由に安全に世界中の国々と行き来ができる世界を実現していきましょう。
ピースボートセンターおおさか 野々村修平