船旅で世界を笑顔に~モノを届ける、心をつなぐ国際協力~

こんにちは、ピースボートスタッフの関美衣です。

突然ですが、海外の人に自分の手で支援物資を届けたことはありますか?

今回はピースボートのプロジェクトの1つ、船で支援物資を世界各地に届ける「UPA国際協力プロジェクト」を紹介します。

人と人のつながりをつくる「UPA国際協力プロジェクト」

UPAとは「United People’s Alliance」、直訳で「人々の連合」という意味です。1984年の第2回クルーズから続く歴史あるものです。

ピースボートの船旅は世界の現状を自分たちの目で見たいという想いから始まりました。各地の人々と交流する中で世界の厳しい現状を目の当たりにし、「少しでも現状を変えたい」と、このプロジェクトは立ち上がったのです。

ただ物資を送るだけでなく、国と国との利害関係に左右されない人々のつながりをつくることが目的です。

UPAは現地で必要な物を調査してニーズに合ったものを送ることで、支援を通して自立を促す活動を続けています。そして日本全国から集まった物資には、ご提供いただいた方々のたくさんの想いが詰まっています。

私たちは物資を届けると同時に、その想いも一緒に世界中の方々へ届け、人と人とをつないでいます。

これまで文房具や楽器、サッカーボールなど、様々な物資を届けてきました。送っていただいたものはピースボートで一つひとつ確認してからまとめて船に載せ、船内で仕分け作業、ツアーにご参加いただいた方とともに現地へ届けています。

地球一周の船旅で支援物資を届けました

私は昨年の8月~12月にあった ピースボート地球一周の船旅 Voyage118 に乗船しました。

このクルーズでは、南アフリカ・パナマ・ペルー・イースター島に支援物資を持って行きました。

私はイースター島の学校に支援物資を届け、そして一緒に乗船していたスタッフの西島希はペルーの子ども支援団体に支援物資を届けたので、その時の様子を紹介します。

イースター島の学校で子どもたちと交流/関美衣

イースター島(ラパヌイ)といえば、やはりモアイ像を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。

イースター島は絶海の孤島であり、周囲2,000km以内には人が住む島はありません。そのため、観光が主な産業となっている場所でもあります。

2024年11月、ピースボートはイースター島を訪れ、私は学校での交流ツアーに同行しました。ここでは小学生から高校生までが学んでいました。

この高校には観光学科があり、観光を学ぶ生徒たちがツアー参加者を案内してくれました。学校に到着すると、まずフェイスペイントを施してくれ、さらに歓迎のダンスを披露してくれました。私たちも一緒に踊り、交流がスタートしました。

校庭から見える美しい海や、イースター島の固有種を育てている庭を案内してくれました。

学校や島の文化について紹介してもらった後、ピースボート側からも感謝の気持ちを込めて、ゲームや歌を通じた交流を行いました。

事前に船内で話し合い、今回は「人間知恵の輪」を実施することにしました。このゲームは、体があれば誰でも楽しめるシンプルなものです。

交流の最後には、みんなで『幸せなら手をたたこう』を歌い、UPAの支援物資を手渡しました。たくさんのリコーダー、縄跳び、サッカーボールを届けました。

学校備品が不足しているようで、子どもたちの嬉しそうな表情を間近で見られて、直接手渡しできることの素晴らしさを実感しました。

イースター島では、コロナ禍の影響でしばらく寄港ができない時期が続いていました。今回のような交流ツアーが実施されたのは久しぶりのことでした。

観光としてモアイ像を見に行くのも素晴らしい体験ですが、島で暮らす人々と直接ふれあい、交流できたことは、とても貴重な経験となりました。

ペルーの働く子どもたち/西島希

つづいて紹介するのはペルーで訪れた「働く子どもと人権」のツアーです。

子どもたちに長時間の労働や過酷な仕事を強いて人権を侵害することはあってはならないことで、世界的になくそうという流れが主流です。

しかし、子どもも家計を支えるために働かざるを得ない地域があります。そんな現実を直視し、働く子どもたちの権利を守るための運動が存在します。

長年ピースボートと交流のある南米ペルーの「マントック(MANTHOC)」は、子どもたち自身に自分たちが働く意義や働く権利を主張できるようにサポートしている団体です。

ここには、学校の備品やマントックで食べる昼食費を自分で支払うために働いている子どもたちが多くいます。両親は遅くまで働いているため、ここに通っている年長者が年少の子の勉強を見てあげたり、お世話をすることもあります。

今回の訪問では、実際に子どもたちとブレスレットやお菓子をつくり、市場に販売しに行きました。普段から、働くことが当たり前だからか、大人にも臆せずはなしかけ、30分ほどで完売しました。これも子どもたちが普段からしていることです。

こういった成功体験を通して、子どもたちが働くなかで自分自身に自信を持たせたり、働くことで成長する機会を持つ活動は、とても考えさせられるものがありました。

最後に、UPAの支援物資として、文具・ノート・ぬいぐるみなどをお渡ししました。自分たちで文具を買う負担が少しでも減り、たくさん勉強できるような助けになればと思います。

UPAの活動に参加しませんか?

このUPAプロジェクトはピースボートだけでは到底達成することのできない、みなさまのご協力あってこそのものです。

ピースボートは「国際交流・国際協力の船旅」として次回以降のクルーズでも活動を続けていきます。

現地のニーズ調査が終了し次第、クルーズごとに支援物資の募集を行なっています。3月21日までは、この春出航のクルーズで持っていく支援物資を募集しています。

ご協力いただける物があれば、ぜひピースボートにお送りください。

そして、私たちと一緒に支援物資を海の向こうで待っている人々に直接届けませんか?ピースボート地球一周の船旅 参加者も募集しています(^^)

人と人が繋がることで、対話をすすめることで、平和な世界を作っていけると信じています。

 

ピースボートスタッフ:関美衣