教師を目指す大学生ゆりゆりの第98回ピースボート「地球一周の船旅」体験談

将来は世界のことを自分のことばで話せる教師になりたい!世界中の学校で学んで子どもたちと交流してきました。

こんにちは。先日98回地球一周の船旅から帰って来ました!ゆりゆりこと、村上佑理です。現在21歳で大学生です。船には大学を休学して乗船しました!将来は教師になろうと思っています。乗船前はピーセンおおさかで、ボランティアスタッフの活動でポスターを貼り、船賃の全額割引を貯めて乗船しました。

こちらは乗船前に書いたブログです。
~another ocean~想いの数だけ旅がある 村上佑理

世界の教育を学びたい

まず、簡単にピースボートに乗ろうと思ったきっかけについて書きたいと思います。ピースボートを知ったのは、過去乗船者の方に美容室で会ったことがきっかけです。 無料で世界一周行けるチャンスがあるということで興味を持ちました。また、ただ綺麗な景色や世界遺産をみるだけではなく、せっかくなら学びを深めたい、将来教師になった時にただ教科書の知識だけではなく、自分の言葉で語れる人になりたいとの思いがありました。そこで、ピースボートの洋上で世界の社会問題や教育について学ぶ講座である「地球大学」を紹介していただき、これだ!と思い地球一周を決断しました。

2018年5月9日から8月22日までの106日間の船旅で、年齢・国籍・バックグラウンドの違う様々な人と出会い、色んな経験をする中で、多くのことを学んできました。

老若男女800人で洋上大運動会

私が属していた青団が総合優勝!

船内生活の思い出として洋上運動会があります。洋上運動会は、老若男女、国籍を越え約800人が参加する船内で一番大きなイベントです。四つの団に分かれ、綱引きや玉入れといった競技や応援合戦を行いました。

洋上運動会で実行委員のみんなと。ボーダレスをスローガンにかかげみんなで頑張りました。

また船内のイベントには参加者としてはもちろん、イベントを運営する実行委員としても携わることができます。私も実行委員として洋上運動会に携わりました。みんなで一つの企画を創る大変さ、おもしろさを感じることができ、とてもいい経験になりました。

世界の多様な教育を学ぶ

寄港地ではシンガポールの中学校やNIE(National Institute of Education)という教員を養成する大学を訪れ、人を資源と考えて教育に力を入れている先進的なシンガポールの教育について学ぶことができました。スリランカのコロンボでは孤児院に行きました。

北欧ではフォルケホイスコーレというデンマークの教育施設を訪問しました。フォルケホイスコーレとは主に17歳以上を対象とした学校で、テストや教科書等はありません。先生を含め全員で同じ宿舎に住み、対話を通して学びを深めていく学校です。キューバでは、身体障害がある子どもたちの学校に行ったり、コスタリカでは軍隊の無い国たる所以を学びにいくツアーに参加しました。

パナマのエンベラ族の女の子と。バレーボールを一緒に楽しみました。

パナマではエンベラ族という先住民族に会いに行き、交流するというツアーに参加し、子どもにバレーボールを教え一緒に楽しみました。 こういう楽しみ方ができるのもピースボートならではかと思います。

アウシュビッツで平和について考える

アウシュビッツ強制収容所

第二次世界大戦中にヒトラー率いるナチスによってつくられた、負の世界遺産であるアウシュビッツ強制収容所に行き平和について考えました。死ぬまでに行きたいと思っていた場所の一つでしたが、今回ピースボートで訪れることができてよかったと思います。

アウシュビッツに訪れ感じたことは、傍観者であることの怖さです。当時ナチスを支持した人はドイツ国民のたった3割で、残りの多数は傍観者だったといいます。戦争で疲弊していく中で長いものには巻かれろといった感じで気づいたらホロコースト(大虐殺)が起きてしまった。集団を動かすのは多数を占める傍観者であるということがわかりました。このことはアウシュビッツだけでなくいろんなところに通じると思います。

また、 色んな視点で物事を見ることの大切さを学びました。アウシュビッツをただの負の遺産として事実を知るだけでなく、そこから現在の社会問題、身近な問題、様々なところに通じているんだと気づき、考えるよいきっかけになったと思います。個人で行くこともできましたが、ともに考え対話する仲間と共に行くことができたこと、また、船の上で事前に勉強会をしたり、学んだことを報告会としてアウトプットする機会もあり、より学びが深まったように思います。

世界中の様々な問題や教育について知りましたが、そんな時に多くの仲間と一緒に学んだり、話し合ったりできる環境があったのはピースボートに乗ってよかったと思うことです。寄港地で経験したことに加えて、船内でみんなと過ごす中でみんなと喋ったり、企画をしたり、その中で学んだことが多かったように思います。より学びが深まったように思います。

自分について知ることができた旅

洋上からみる朝日や夕日、星空などの景色がすばらしかったです。ちなみにこれは夕日です。

私がこの船旅で得た1番のものは 「自分について知ったこと」かもしれません。これは船内でとっていたプログラムである地球大学の中で得たものだと思います。この旅で色んな自分が見えました。自信も無くしたし、自分のキャパも知りました。でも、私のことを認めてくれる人もいて、こういうところが得意で、逆に足りないものは何なのかというのがわかりました。今まで向き合うことから避けてた自分に気づき、そのきっかけがピースボートには、たくさんあったように思います。

そして自分のやりたいこと、進んで行くべき道がみえました。

今までは教師になるということが目標でした。誰かの人生の選択肢の幅を与えること、いい影響をあたえられるような人になりたいと思っていました。しかし、教師以外にもそういったことを実現することはできるのだなと、選択肢がいろいろ増えました。その選択肢の一つとして、ピースボートの職員があり、現在船を下りてピースボートで働いています。

船で同室だった大好きなメンバーとまわったエーゲ海に浮かぶサントリーニ島。

楽しいことばっかりではなかったし、悩んだり辛いこともあった106日間でした。みんなと過ごした楽しい時間も悩んだ時間も苦しんだ時間も全部ひっくるめて私の人生の財産です。この106日間とは一生付き合っていくんだろうなぁと、これからどんな意味をもたらしてくれるのか、自分の人生にどう繋がっていくのか考えるとすごくワクワクしています!

人生の選択を正しいものにする力をつけたい

サントリーニ島で。青と白のコントラストがすごく綺麗でした。

初めてピースボートに来た時は1つ後の99回クルーズに乗るつもりで、 大学を休学するつもりも微塵もなくて……。 でも、98回クルーズを選んだ自分の選択は間違いなかったと確信に変えられました。

人生は選択の連続だなって常々思います。分かれ道に立った時、正しい選択をするというよりも、自分がした選択を正しいものにする力が必要で、そんな風に人生を歩んでいける人でありたいと思います。

今思うと、ボランティアスタッフを始めた1年半前から私の地球一周は始まっていたのだなと思います。一歩踏み出す勇気を持てばこんなにも世界は広がるんだなということを実感しました。これから地球一周を目指す人、検討してる人の背中を少しでも押すことが出来れば嬉しく思います。

イタリアのサルデーニャ島を浴衣で散策。

文:村上佑理