「世界の問題を解決する第一歩は知ること」奥永徳人 

ピースボートセンターおおさか(ピーセンおおさか)ではたらくスタッフを紹介します。今回は俳句が趣味の奥永徳人です。

奥永徳人 Okunaga Norito (通称:わくわくさん)

三重県出身。

ニックネームの「わくわくさん」からお分かりの通り、あの工作大好きなワクワクさんに似ています。趣味は俳句をつくること。地球一周を4度していて、船に乗っている時は俳句をつくって過ごしているそうです。

ピースボート大阪では、ピースボートの船旅にお問い合わせいただいた方に電話で案内する仕事をしています。

きっかけはピースボートのポスター

参加者としてピースボートの地球一周クルーズに乗ったのは2010年の4月、約10年前ですね。24歳で、丁度大学の卒業旅行で海外に行くことを考えてました。バイト先でそのことを話していたら、たまたま貼られていたピースボートのポスターを見て、冗談半分でこれに乗ってみたら?といわれたので、そのままノリで資料請求してみました。

問い合わせたものの、旅費で約100万円必要だし行けないだろうと思っていました。でもある日、ピースボートから電話がかかってきて、船賃の割引があるボランティアスタッフ制度があるのを知り、自分でも行けるのではという可能性が見えてきました。その後大学を卒業し、ボランティアスタッフとして活動をして2010年の春、はじめての地球一周に出発しました。

ボランティアスタッフとしてピーセンに通いだすと、多くの地球一周をめざす人々と出会いました。こんなにたくさん地球一周する人がいるんだと衝撃でした。そして、 出航のときには800人以上の老若男女が1つの船に乗りこみました。こんなにたくさんの人たちがそれぞ違う想いを持ちながら、同じ船に乗り合わせていることに感動とワクワクで地球一周がスタートしました。

地雷原のとなりに建つカンボジアの小学校

地球一周する1番の目的は、クルーズの中でおこなわれたカンボジアの地雷問題検証ツアーに参加することでした。大学で小学校の先生になるため教育学部に通っていました。乗る前に、世界を知って教壇に立つのはおもしろいのでは?と言われたことも、乗る理由の1つになりました。

カンボジアでおとずれた小学校の横には地雷原が残っていました。カンボジアで地雷問題や教育問題について学び、他の参加者と毎日ディスカッションをしました。私たちは地雷についてプロフェッショナルではないですが、なんとかしたいという思いで、今の私たちには何ができるのか、ひたすら話し合いました。これは私がさまざまな社会問題を学ぶきっかけになりました。

「ヒト多様性」の大切さを知った

グローバルスクールに参加している人たちの存在も私に大きな影響を与えてくれました。グローバルスクールは不登校や引きこもりの人たちなど、日本社会で生きづらさを感じている人々が地球一周してヒトの多様性を体験しながら学ぶ、洋上のフリースクールです。

私はPAチームという、船でおこなわれるイベントの音響や照明を扱うチームに所属していて、そこにグローバルスクールに参加している人がいました。その人が大勢の前でグローバルスクールについて、そして自身の経験を話してくれたことがあって、それも1つ考えるきっかけとなりました。もし自分がその境遇だったらや、自分にできることなどを考えました。

船内での生活はイメージしていたより濃く、いい意味でカルチャーショックが大きかったです。乗る前に心の準備がしたかったですね(笑)。地球一周中はいろんなことを知り、これまで体感したことのない一日一日を過ごしました。

ピースボートの船旅には「気づき」がつまっている

地球一周をすることで、たくさんの社会問題に触れました。その中で印象に残っている言葉があります。

「世界の社会問題を解決するのは人の無関心を壊すことだ」

私が乗船した時にグローバルスクールを担当していたスタッフが話していた言葉です。これまで気づかなかったことや、気にしなかったことにも関心をもつことで気づける。だからこそ行動できる。そして、自分だけではなくて、多くの人に社会問題について知ってもらうきっかけをつくりたいと思いました。

ピースボートが地球一周の船を出すことで、多くの人々に世界の事やさまざまな問題を知ってもらうきっかけになると思ってます。私は地球一周することで世界のいろんなことに気づき、関心を持つことができました。他の人にもそんな体験をしてほしいから、ピースボートで働いています。

ピースボートセンターおおさかは多様な人々と繋がれる場所

ピースボートの地球一周に興味ある人は、是非ピーセンに来てボランティアスタッフの活動にも参加してみてください。ヒトの多様性を大切にしているピースボートだから、ピーセンもさまざまな人にとって心地よい居場所にしたいと思っています。ここに集まるバラエティー豊かな人々と一緒に地球一周をめざしてみませんか?

 

インタビュー:岡田有華  編集:森田幸子