ドイツ 冬の風物詩~人々の心を躍らすクリスマス マーケット~

みなさんこんにちは。ピースボートセンターおおさかの野々村修平です。今年も残るところわずかになってきましたが、いかがお過ごしでしょうか?

寒さが一層増してきた今日この頃、冬といえば、世界各国でクリスマスマーケットが開催される時期ですね。

ちょうど昨日、ドイツに住んでいる友人から連絡をもらいましたが、今年は2年ぶりにクリスマスマーケットが開催されているようです。

コロナウイルスの影響でどの地方でも中止が相次いでいただけに、嬉しいニュースでした。世界が少しずつでも落ち着きを見せている証拠でしょう。

日本でもクリスマスが近づくと、あちこちで煌びやかなオーナメントを飾ったツリーや、赤や緑色の装飾品が街を彩ります。

<ケルン大聖堂にて>

私とクリスマスをつなぐ経験は大学3年生の頃、実は初めて海外に足を踏み入れたのもこの時期でした。国際線に搭乗するにも不安だらけで、パスポートを無くすまいと全力で握っていたことが懐かしくも思えます。

「飛行機はまもなくフランクフルト国際空港へ到着します」

この合図とともに窓の外を眺めると、降り注ぐ雪の合間に、きらきらと光る街の明かりが映っていました。それが、欧州の国ドイツでした。

今回は、私の思い出に残る幻想的な祭典、ドイツのクリスマスマーケットをご紹介します。

ドイツのクリスマスマーケット

ドイツでもっとも重要なイベントがクリスマスです。

12月25日のクリスマスのクライマックスに向かう4週間をアドベント(Advent) と言います。ドイツの人々にとって1年で1番大切にされている4週間となります。

街の飾りやイルミネーションの美しさはもちろん、ドイツの特色は「クリスマスマーケット」にあるといっても過言ではありません。

クリスマスのオーナメントを販売するお店が多くあります。現地の方々はお気に入りのオーナメントを買って帰り、家のツリーに飾り付けています。

ドイツを代表する三大クリスマスマーケット

ドイツのクリスマスマーケットは、2,500箇所以上で開催されていますが、その中でも際立って有名な三大クリスマスマーケットが存在します。

「Nürnberg /ニュルンベルク」

世界一有名なクリスマスマーケットと言われる、非常に格式高いクリスマスマーケットです。17世紀から続く伝統を守るため、マーケットに出店するには厳しい審査を乗り越える必要があります。

また2年に一度ChristusKind(クリストキント)役の女の子が選出されるのですが、その彼女を一目見るために観光客が殺到することでも有名です。

クリストキントとは、ドイツ南部やスイス、チェコ等に伝わるクリスマスの天使を指しています。

「Dresden /ドレスデン」

1434年から続く世界最古のクリスマスマーケット。市街地の中心地には、高さ14mの巨大なろうそくピラミッドが現れ、シンボルとなっています。

石造りの歴史的建造物がライトアップされ華やかな街並みから目が離せません。

「Stuttgart /シュトゥットガルト」

世界最大のクリスマスマーケットであり、300年以上の歴史を有しています。

街の一画がクリスマスの装飾に飾られ、この時期は、シュトゥットガルトのどこを歩いていてもクリスマス一色に変貌します。

最も美しい屋台を決定するコンテストも必見です。

思い出のクリスマスマーケット@フランクフルト

ドイツには日本(羽田・成田・関西国際空港)から直行便が飛んでいるため、簡単に訪れることができます。所要時間は約12時間。機内食は2回でてきました。

ずっと記憶に残っていますが、私が乗っていた便ではまさかの「AIR ケンタッキーフライドチキン」 と題され、ケンタッキーフライドチキンが機内食で出てきました。

クリスマスといえば、ケンタッキーという発想は日本だけではなさそうですね。

到着する空港は、フランクフルト国際空港がオススメです。欧州旅行では、トランジットとしてもよく訪れる空港の一つではないでしょうか?

ロンドンのヒースロー空港、パリのシャルルドゴール空港に次ぐ欧州のハブ空港の一つです。このフランクフルト空港はとにかく広い。

またフランクフルトに到着した時は、空港内が暖かく寒さをあまり感じませんが、一歩空港外に出ると、極寒の雪道がお出迎え。

クリスマスシーズンを迎えるドイツは、寒さの一番厳しい時期です。日照時間もかなり短くなってきます。

最高気温が5〜6℃程度であり、体感としては毎日1〜2℃だった気がします。

そんなフランクフルトでもドイツ最大級のクリスマスマーケットが開催されており、オススメです。

まずは空港に直結している空港駅からフランクフルト中央駅を目指します。中央駅には、大体10分くらいで到着できます。

フランクフルト旧市街にあるレーマーベルグ(レーマー広場)を中心に、その一帯がクリスマスの雰囲気に包まれています。

なぜかヨーロッパは(クリスマスに限らずですが)イベントになると、移動式の観覧車やメリーゴーランドが急に街中に現れます。

とにかく人・人・人

クリスマスマーケットのグルメに注目

心身を温めてくれるグリューワイン

まずクリスマスマーケットで欠かすことができないものが、Glühwein(グリューワイン)です。

Glüh(グリュー)とは、ドイツ語で「赤々と燃えて熱を帯びている」という意味。

熱を通しているのでアルコール度数は低めになっており、冷えた体にスーッと入っていきます。じんわりと身体の隅々が温まってきます。

生姜やスパイスが混ぜられています。独特の美味しさと香りも楽しみましょう。

オレンジやレモンを使ったさっぱりとした爽やかな味わいのもの、シナモンを使ったスパイシーなものなどあります。

グリューワインはマグカップとセットで売られています。暖かいグリューワインを受け取ってそのまま歩きながら飲めちゃうんです。

マグカップは可愛らしく限定のデザインが施されているので、容器を持って帰ると思い出にも浸れますね。

ただちょっと散策の途中だとマグカップが邪魔な気もします。そのままカバンに入れると汚れてしまうので小さな袋などを持参しておくと便利。

ちなみにマグカップが不要な方は、返却をすればカップ分がデポジットとして返金される仕組みになっています。

また未成年やワインが苦手という方は、Kinderpunsch (キンダープンシュ)という葡萄ジュースも一緒に売られているので試してみてくださいね。

ドイツと言えばソーセージ!

ドイツで親しまれるソーセージの種類は、なんと1,500種類もあると言われています。

ソーセージはドイツ語で「wurst(ヴルスト)」と言い、生産方法により主に3種類に分類されます。

Rohwurst / ロー・ヴルスト

生ソーセージの意味。約500種類あり、生の牛肉、豚肉、羊肉などで作られています。

Brühwurst / ブリュー・ヴルスト

加熱したソーセージです。ソーセージの種類の中では、一番種類が豊富で約800種類にのぼります。

生肉(牛肉、仔牛肉、豚肉など)を細かくカッターで刻んで腸詰めにした後、70~80度の熱湯で茹でます。ミュンヘンの白ソーセージであるヴァイス・ヴルスト(Weißwurst)が代表的。

Kochwurst / コッホ・ヴルスト

“Koch”とは、ドイツ語で「料理をする」という意味で、調理ソーセージは、約350種類あります。

すでに茹でるなどの加熱処理を施した肉に、内臓、皮、血などを混合し、スパイスを加えたものを腸詰めにします。

白いソーセージは、噛んだ瞬間からパキッと音を立てて肉汁が溢れ出ます。

本場では、ソーセージを受けとったら、カウンターの隣にフリーのマスタードとケチャップが置かれているので自由にかけることができます。これがいいですね。

その他にも地方にそれぞれのオススメ

ミュンヘン

ちょっと時期は外れますが、10月には世界最大のビールの祭典「オクトーバフェスト」が開催されます。

ミュンヘンといえばビールがオススメ。ミュンヘンのあるバイエルン州には600箇所以上のビール醸造所があります。

ドレスデン

ドイツ最古のクリスマスマーケットが開催されています。

名物はChriststollen(シュトーレン)。 洋酒に漬けこんだドライフルーツやナッツ、バターをたっぷりと生地に練りこみ、発酵させて焼き上げられます。

徐々にフルーツなどの風味が生地に移るため、日数の経過とともにどんどん味が深まっていくのが特徴。

ドイツでは、アドベントの時期に少しずつスライスして、味の変化を楽しみながら食べるという習慣があります。

ニュルンベルク

クリスマス伝統のお菓子Lebkuchen(レープクーヘン)の店がとにかく多い。

レープクーヘンとは、ヘーゼルナッツやアーモンドなどのナッツ類の他、スパイスを使ったクッキーのような食べ物です。

またニュルンベルクに来たらNürnberger Rostbratwurst(ニュルンベルガーソーセージ)は必見。

ハーブが効いた小ぶりのニュルンベルガーソーセージが3本入ったホットドックが店先に並んでいます。

ニュルンベルクで生産加工された品だけがニュルンベルガーソーセージを名乗ることができます。

ケルン

世界最大級のケルン大聖堂を見ながらのクリスマスマーケットは格別。ちなみに大聖堂の上まで歩いて登ることができます。

ケルンはKölsch(ケルシュ)が有名。世界で一番飲みやすかったなと思うケルン地方の地ビールです。

「ケルシュ協約」に調印しているケルン近郊の醸造所のビールのみがケルシュを名乗ることができます。

ケルシュ協約は、ケルシュの品質と伝統を守ることを目的として、1986年に締結されました。

この協約には16の条項があり、原産地や醸造に関する規定だけでなく、注ぐグラスの形状なども定められています。

このグラスは、Stange (シュタンゲ)と呼ばれ、細い円柱状をしており、サイズも200mlと限られています。

ローデンベルク

Schneeball (シュネーバル)という300年も前から食べられている伝統菓子があります。

シュネーバルは、クッキーのような生地を細長い短冊状に切り、こぶし大に丸めて、油で揚げたものに、チョコレートやシナモン、粉砂糖などをトッピングして作られます。

最後にちょっとユニークなお土産

伝統の人形、Rauchermann (煙だし人形)です。人形の中は空洞なのでとても軽くて、中にお香を入れると口から煙が出てきます。おすすめです。

クリスマスマーケット ワンポイントアドバイス

クリスマスマーケットにはあまり公衆トイレはありません。飲食店のトイレも利用者だけが使える場合がほとんどです。

マーケットのために設営されたトイレもありますが、基本的にはチップが必要なため、少額のユーロを予め準備して置くことをお勧めします。

またクリスマスマーケットでは、ほとんどの店がクレジットカードの利用ができない仕様です。スリも多発する時期なので、小額紙幣を中心にパスポートや貴重品は服の内側にしまっておきましょう。

よいクリスマスを!

ドイツのクリスマスマーケットは、寒くて日も短いドイツの冬を彩り、心を躍らせます。

そのようなドイツの人々にとって欠かすことができない祭典を経験してみませんか?

とは言っても、もちろん「いますぐにドイツへ!」と飛び出せる人は少ないと思うので、まずは日本国内で開催されているクリスマスマーケットをちょっと覗いてみてください。

関西では…

神戸布引ハーブ園
天王寺ミオ
阪急うめだ本店(ピースボートセンターのすぐ近く!)

などで、クリスマスイベントがありますよ。

そしていつか、ドイツのクリスマスを体験してみてください。

 

ピースボートセンターおおさか 野々村修平