「~another ocean ~想いの数だけ旅がある」と題して、ピースボートセンターおおさか(ピーセンおおさか)で活動するボランティアスタッフを紹介しています。今回紹介するボランティアスタッフは、より良い教育を探求し続ける元教師の北川航次さんです。
自己紹介
今年4月に出航する104回クルーズを目指しています。ぴょん吉こと北川航次です。ボクの名前は、航海の次へと書いて、「航次(こうじ)」と言います。ピースボートで世界を回るために生まれてきたと言っても過言ではない名前です。オーシャンドリーム号に乗って地球一周できることが誇らしいです。
また、緑色が好きということから、カエルを連想し、「ぴょん吉」というあだ名をもらいました。これも気に入っています。
さて、ボクは大学の教育学部を出て、2年間小学校の先生をしていました。元気な子供たちとグラウンドで走り回るような先生でした。今は海外を転々としながらボランティアスタッフ活動をしています。
ピースボートの地球一周の船旅を目指した理由
日本の伝統的な教育に疑問を感じたところから始まります。「みんなちがってみんないい」。言葉だけ見ると素敵な考えですが、日本の伝統的な学校ではみんな同じが求められます。
・学習の進め方
・宿題のやり方
・発表の仕方
・話を聞く時の姿勢
・ノートの取り方
・行進の腕の振り方
・算数の筆算の定規の使い方
みんな違いがあるなら、それぞれに合ったやり方があるはずなのに、なんでみんな同じじゃないといけないのだろうか。ボクはこのような日本の伝統的な教育に疑問を持ちました。そこから、ボクの中からいくつかの問いが生まれました。
他の国の教育はどうなっているだろう?
幸福度の高い国と日本の違いってなんだろう?
日本の教育と同じような教育をしている国が他にあるのだろうか?
ボクのやりたい教育は日本の伝統的な学校にはないと考え、世界の教育について興味が出てきました。
そんな時、船で訪れる国の教育について学ぶツアーをピースボートがおこなっていることを知りました。ピースボートでは、そんな勉強もできるのか!と興味が湧き、船に乗ることを目指しました。
チェック たとえばピースボートにはこんなツアーがあります
民主性と生活のための教育:デンマークの成人教育機関(フォルケホイスコーレ)運動
バリのグリーンスクールから、もっとグリーンな世界へ
シンガポールの教育事情 – シンガポール
今どれくらい割引貯まってる?
ボランティアスタッフは活動に応じて船賃の割引を受けることができます。
2017年9月16日に初めてポスターを貼ってから、なんと860日。船賃99万円分の割引を貯めてついに全クリ(船賃全額ボランティア割引を貯めること)を達成しました。そんなボランティア割引を貯める方法は大きく分けると3つあります。
1、ポスター貼り(お店にポスターを貼る活動)
2、テルかけボランティア(興味のある人に電話をかける活動)
3、フルタイムボランティア(事務仕事をセンターでする活動)
ボクはテルかけボランティアをメインで活動していました。ポスターと違って、仲間が同じ場所にいながら活動できます。わからないことがあれば、わかる人に聞いたり、さらに興味をもってもらうためにどうするかなどを話し合ったりもすぐにできます。それぞれの強みをみんなで共有したり、チームの力を使えたりすることがテルかけボランティアの魅力です。
また、ポスター貼りが得意じゃなかったのですが、102回クルーズ(2019年9月出航)のベテランメンバーが抜けた時、急遽ボクが新しく来たボランティアスタッフにポスター貼りを教える立場になりました。そこから、初心者へのポスター貼り講習をしたり、岡山・広島キャラバン(泊りがけでおこなう地方でのポスター貼り)に参加したりと、ポスター貼りも面白いと思えるようになりました。
他にも、内勤(ポスターの準備など)、旅行説明会、船内見学会、出展するイベントの手伝いなどにも参加してボランティア割引を貯めていました。
どんな旅にしたい?
「音楽×教育」この2本柱で旅をしようと考えています。
高校生の時に和太鼓をしており、社会人になってまた始めました。昨年の夏にあったコンサートにもピースボートの仲間が駆けつけてくれました。本当に嬉しかったです。
ピースボートの船でも和太鼓ができるということで、とてもワクワクしています。また、この旅では、作曲にも挑戦しようと考えています。自分の考えや気持ちを音に乗せて演奏できたらなと思います。そして、いろんな国の楽器と合わせて、セッションするなど、ピースボートらしいこともやってみたいです。
教育についてはいろんな国の人の考え方に触れて、どういった文化からその教育が根付いているのかを対話を通して、知ることができればと考えています。また、船に乗っている水先案内人(船に乗船する各界の専門家) たちと話をしてみたいです。
ピーセンおおさかってどんな場所?
一言で言うと、「居心地の良い空間」です。仕事の忙しさから、1年ほどピースボートセンターに行けない時期がありました。1年経って久しぶりにきたボクに、「久しぶり!」と声をかけてくれるスタッフや、初めてあったにもかかわらずに暖かく迎えてくれるボランティアスタッフの仲間がいました。
「1年前と比べて、だいぶメンバーが変わっても、ピースボートセンターの居心地の良さは変わらないなぁ。」とその時思い、素敵な組織だなぁとつくづく感じています。
最後にひとこと
船旅への思いが104回クルーズで一番強いと勝手に思っています(笑)。船に乗るまでの期間が長いからこそ、その思いが強くなっています。
ボクは二年半前から、船に乗ることを目指してきました。ただ、長い時間の中で、船に乗ることが目的ではないと考えるようになりました。乗った時に何をするのか、乗った後にどうなりたいのか、船旅はもっと大きなものを掴むための手段だと考えました。
乗船後に「乗船前とあまり変わってない」なんてことにならないかちょっぴり不安です。やりたいことができるように、乗船前からできることをしようと思います。
どんな旅になるかは人それぞれです。ボクは自分らしい旅になるだろうとワクワクしています。
文:北川航次 編集:森田幸子