僕たちの『愛』を伝える服~歴史と若者のパワーが生み出した女性ファッション~

みなさん、こんにちは。ピースボートセンターおおさかの田上健(たける)です。

以前、「バーバースタイルに魅せられて」というヘアースタイルについての記事を書きました。今回は、僕が好きな服の話をしたいと思います。

僕の弟が服飾デザイナーの道を選んだので、弟から服の話を聞くことが多くなりました。そして服を買うことも着ることもすごく好きになりました。

服って着てかっこよく決めるだけじゃなくて、その服が生まれた過程でいろんなものに繋がっているなと調べていくうちに思いました。

時代ごとに流行っていたファッションの背景には世界の状況や社会の動きが関係しています。

そこが面白いので紹介していきたいと思います。

将来の夢は…

その前に、どうして僕がファッションに興味を持ったかのお話です。

僕は弟のおかげでファッションに興味を持ち、弟が作っている服をできるだけ多くの人に知ってもらいたいと思うようになりました。

もともと、将来は自分で何かを立ち上げてそれを多くの人に知ってほしいし、人を笑顔にできる人間になりたいと思っていました。

そこで、弟との話が繋がり…。

僕の将来の夢は、世界一の女性ブランドを立ち上げることです!

なぜ女性ブランドなのか?

僕たちは男性で22年間過ごしてきたから、今から新しいものを考えるとなると、すでにあるスタイルが固定観念として自分の中に蓄積されています。

これはかっこいいとか、かっこ悪いとかをすごく感じてしまいます。

でも、自分がまだなったことない女性のスタイルは、まだまだ自分たちの中でどんどんアイデアが湧きだしてくると思っています。

ということで、「女性」のことを考えて気づいたのが、大人になるにつれて僕たちは女性に愛を伝えることが下手になっているな、ということ。

母、家族、恋人、友人…。なかなか素直に愛を伝えられない年齢になってきました。

そんな言葉ではうまく伝えられない「愛」を伝えるすべとして、服を作っていきたいと思いました。

そして、勉強のためにいろんなブランドをチェックしています。

最近は、ヴィヴィアン・ウエストウッドに興味を持っています。

結構日本でも有名なビックブランドですが、元々デザイナーのヴィヴィアン・ウエストウッドは「パンクの女王」と言われており、パンクファッションの第一人者と言われています。

でも彼女は「パンクは失敗だ」と語りました。

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パンクの印象的な見た目だけが知られるようになったけれど、彼女が伝えたかったのは、そのデザインに込めた社会問題や環境問題に対する彼女自身のメッセージでした。

僕の弟も同じようなことを言っていたので、面白いなあと感じました。

世界の動きと共に変わっていくファッション

ここからは、僕が興味を持っている主にアメリカやヨーロッパの女性ファッションの流れを紹介していきます。

1940~50年代 ファッションを楽しめる時代

この時代の世界は、第二次世界大戦が終わりこれから復興に向かう頃でした。

戦時中は、ファッションを楽しむ状況ではありませんでした。女性らしさを制限されたスタイルが世の中では常識でした。

戦後解放され、時代は「女性らしさ」を強調するスタイルへと変化していきます。

1947年には世界的に有名なデザイナー、クリスチャン・ディオールが「女性らしさ」を前面に出した服を世界に出します。

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その名も、『ニュールック』。ウエストを細く絞ったあとそこから広がるふんわりしたスカートが特徴の「8ライン」と呼ばれるシルエットが世界的に人気になりました。

またクリスチャン・ディオールは他にもいろんな形のスカートを出します。その影響で日本でもスカートが流行りました。

この時代は、戦争という暗い時代から女性が自分らしく華やかに楽しめる時代へと変わって行きました。

『ニュールック』はそんな時代の象徴とも言えます。

1960年代 より自分自身を表現する時代

この時代の世界は、文化や政治、音楽、服が大きく変わる瞬間だったと言えます。

世界の指導者の暗殺や、世界各地での紛争、「ベルリンの壁」建設、キューバ危機、多くの核実験、反戦運動…。そして女性解放運動も活発になりました。

時代を激しくさせる出来事が次から次へおこった10年間を通して、服で自分自身を表現することを選んだ時代です。

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ビキニの水着が流行りだしたのもこの60年代。

女性が自分らしく開放するすべとなり、パンツスタイルも流行りました。なかでも、裾が広がったベルボトムとよばれるパンツが流行。

ベルボトムブームはこの後の70年代のヒッピースタイルへとつながっていきます。

2022年でも人気があるミニスカート、花柄、フリンジなどが誕生したのもこの頃でした。

1970年代 多様性が大きな価値を持った時代

1970年代は、学生運動、ヒッピームーブメント、パンクなど、組織や体制のなかに縛られることを拒んだ若者たちが自由と平和を求めて立ち上がった時代です。

服に限らず、アート、音楽、ライフスタイルなどすべてのジャンルにわたって多様な文化が生まれました。

中でも、服は「LOVE&PEACE」を合言葉にしたヒッピースタイルが流行りました。

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民族衣装、バンダナ、ジーンズなどなど。そして60年代に流行したベルボトムも70年代にはデニム生地が主流に。

平和な世界を願い、自由で開放的な社会などをイメージして、個性の強い服を着た若者たちがこの時代のファッションをつくりました。

社会の動きによって服が変わっていく

1940~70年代までのファッションと世界の動きをお伝えしましたが、本当にもっともっといっぱいあります。

その流行りができるまでには、確かにいろんな時代が繋がってできていると僕はすごく思います。

ただ、服を着るだけでは見えてきませんが、そのスタイルがどんな風に生まれてどんなメッセージを持っているかを考えるとすごく楽しいです。

また最近は、デザイナーさんの想いを知ることで、共感する想いを持つブランドの服を買ったりしています。

着るだけのものから、学ぶ教科書のように服を見るようになりました。

あなたの「好き!」もきっと世界とつながっている

僕が今回のブログで伝えたかったのは、いろんな角度から学びはあるということです。

今回紹介したように、服を見てみれば世界でその時代になにが起きていたのか分かります。

多分自分が好きだなと思う趣味や特技の中にも世界と繋がるものが隠れていると思います。

自分なりに調べて解読してみても楽しいかも。

 

ピースボートセンターおおさか 田上健