「狭い世界から広いセカイへ」山口優樹

ピースボートセンターおおさか(ピーセンおおさか)で活動する仲間を紹介します。今回は、海のように深いやさしさの持ち主・山口優樹です。

山口優樹 Yamaguchi Yuki(通称:グレー)

愛知県豊橋市出身

グレーの趣味は、ピースボートで出会った仲間と旅行すること。年末年始や休みを合わせて集まり、朝まで飲んだりゲームしたり、BBQしたりと、クルーズが終わってからも楽しい時間を共に過ごしているそうです。

特技は早寝! のび太くんばりにどこにいても一瞬で夢の中へと行くことができるんだとか。旅好きにピッタリの特技です。

「足踏みしても靴底が減るだけだぜ」

これはピースボートにも乗船していただいたことがある自由人・高橋歩さんの言葉。人生迷っていても時間が過ぎて行くだけだという意味で、グレーが大切にしている言葉です。

グレーにとって高橋歩さんはかっこいい旅のパイオニア。ピースボートに乗船する前に高橋さんの本を読んで、人生は自由なんだ!もっと楽しむことができるんだ!と気づいたことが今のグレーに大きな影響を与えています。

ピースボートでは、電話問い合わせの窓口で地球一周に興味のある方の相談に乗っています。

就職して3年、このままでいいのか?

ピースボートと出会ったのは、新幹線の部品を作る工場で働いて3年ほどたったころでした。ふと「ああ、あと40年この生活を繰り返して行くのか? 自分の人生がもったいない!」と思いました。

ちょうどそのタイミングで長く付き合っていた彼女と別れることにもなりました。

人生一度きりだから面白いことをしてみたい!と思い、昔から海外旅行に興味があったので、ネットでバックパッカーなどを調べている時にピースボートのバナー広告が出てきました。

一度にいろんな国へ行けるところに魅力を感じて、ピースボートで地球一周しよう!と思い立ちました。

 ピースボートで5大陸制覇と皆既日食観測

僕が乗ったのは2019年4月に出航した地球一周クルーズです。104日間かけて5大陸を巡る船旅でした。

また、太平洋上で皆既日食も観測できました。船に乗る前は皆既日食は全く期待していなかったのですが、いざ見られた時には感動しました。

昼間なのに辺りがだんだん暗くなっていき、夜のように暗くなり太陽が隠れるとみるみる寒くなりました。とても神秘的で印象深かったのを覚えてます。

パプアニューギニアで交流とファイヤーダンス

また一番印象に残っている寄港地は一番最後に訪れたパプアニューギニアです。

エジプトやイースター島は乗る前から楽しみにしていたのですが、パプアニューギニアはそれこそ最後の寄港地ということと、太平洋戦争時に日本軍が戦った地ということしか知りませんでした。

僕はバイニング族と交流するツアーに参加しました。港からバスで30分ぐらいのところにあるバイニング族の村へ行くと子ども達が100人ぐらい出迎えてくれました。

そこで一緒に遊んだりしながら大交流しました。最初は表情の硬かった子どもたちも遊んでいくうちに笑顔になっていったのを覚えてます。

現地の人は嗜好性のある赤い木の実を食べるのですが、それを食べると口の中が真っ赤になり、それを道に吐き捨てるので血を吐いているように見えたのも思い出です。

現地へ行ってみないと分からないこともあるのだなぁと思いました。

夕方になるととても綺麗な夕焼けを見ることもできました。

現地の料理を食べながら日が暮れると、いよいよファイヤーダンスが始まりました。

儀式的な意味合いが強いのでお面と衣装に身を包んだ人の正体を見てはいけないとか、話しかけてはいけないとか色々始まる前は注意があったのですが、始まるとただただ見入ってしまうものでした。

1時間ほどのダンスが終わると村を出発して船に戻る時間です。子ども達も寂しそうにしておりとても可愛いかったので、子どもたちと別れるのが名残惜しくもありました。

人との繋がりの大切さに気付いた

地球一周中の思い出はたくさんありますが、一番心に残っているのは地球一周最後のできごとです。

日本に帰港する日は、僕の誕生日でした。クルーズ中に友達になったみんなが、前日の夜に集まって祝ってくれました。

船を降りる直前でみんな忙しいのに、レストランで一緒にご飯を食べ、またその後に別の会場でもサプライズで装飾や動画を用意してくれて、とても嬉しかったです。

地球一周することで、人との繋がりを強く感じるようになりました。100日間毎日が文化祭の様に楽しい日々を仲間と過ごしていたので降りてすぐは「船ロス」でした。

乗る前は地元や会社の同僚程度だった人との繋がりが、乗ってからは全国に友達ができたのでとても嬉しかったです。

元々は海外を楽しむ目的で乗ったんですが、地球一周して「どこに行くかよりも誰と行くか」が重要だと気付きました。

自分的には一人でご馳走を食べたり、絶景を見るよりも、誰かと公園でピクニックする方が楽しいなと思うようになりました。

イースター島へ行った際にはお金が無かったので遠くの名所まで行かずに近くの公園で友達とピクニックしましたが楽しかったのでそれも良い思い出です。

ピースボートセンターおおさかで楽しい日々を送ってます

地球一周後のことは何も決めずに乗船したんですが、船の中で働くときはきっちり働いて、遊ぶときは思いっきり遊ぶピースボートスタッフを見て、「こんな大人になりたいな」と憧れてピースボートに関わり続けることにしました。

一緒に船に乗った仲間のあの時楽しかったね、また乗りたいねという言葉や、これから乗る予定のボランティアスタッフが頑張って割引(※)を貯めている姿や「乗るのが楽しみ!」と言っているのを聞くと、とてもやりがいを感じます。

乗船した際に船で仲良くなった友達はピーセンおおさかでボランティアスタッフをしていた人が多かったです。友達が地球一周する前に過ごしたピーセンおおさかに今関わっていることがすごくエモいです。

今もピーセンおおさかは明るくて面白い人たちがいっぱいいるので楽しいですね。

(※)ピースボートのボランティアスタッフは、活動内容に応じて船賃の割引を受けることができます。

人生は一度きりだからやりたいことをしよう

人生一度きりです!

僕はピースボートの地球一周に参加して楽しかったし、色々な発見や気づき、経験もあったので値段以上の価値を感じました。

乗りたいと感じた、思った時にチャレンジすることで後悔はないと思いますね。

もし将来、自分の子どもができたら子どもにも行かせたいです。もちろんその際はボランティアスタッフ活動をして全額割引を貯めてから行かせます!

 

文:山口優樹  編集:森田幸子