旅は続くよどこまでもー過去乗船者の旅STORYー Vol.3 田上健

「旅は続くよどこまでもー過去乗船者の旅STORYー」と題して、過去に地球一周の船旅に参加したピースボートセンターおおさかゆかりの方をご紹介します。地球一周の船旅になぜ参加しようと思ったのか?実際旅をしてみてどうだったか?そして今何してるの?と旅のストーリーから現在に至るまでをインタビュー!

INTERVIEW Vol.3 田上健(TANOUE Takeru)

高校卒業後すぐにボランティアスタッフとして活動し、第99回ピースボート地球一周の船旅(2018年9月出航)に乗船。その後はピースボートのスタッフになった田上健(通称:たける)さん。半年前にピースボートを離れ、今は阿蘇山のふもとで新たな挑戦を始めています。

地球のいいところを伝えられる人になりたい

―地球一周に行こうと思ったきっかけを教えてください。

元々、小さい頃から海外には行ってみたいなと思っていましたが、なかなか部活とか勉強とかあり、すぐにいける余裕はありませんでした。高校生になったころは海外に行くことなんか忘れていました。

その当時、僕は宇宙人の存在を信じていました。そしてある夢をみました。宇宙人が地球に来て聞くんです。「地球のいいところを教えて」と。

高校生の僕は日本以外行ったことがないので、当然日本のいいところを必死に答えました。

この夢から覚めた時、僕が思ったのは、日本以外を知らなかったら本当に宇宙人が来た時に地球のいいところをしっかり伝えることができないということでした。だから世界一周してみようと決めました。

―世界一周する方法としてピースボートを選んだのはどうしてでしょう?

最初は、自分の足で世界一周をしようと考えていましたが、やっぱり未成年ということもありかなり親に心配されました。お金の問題もありましたし…。

すぐに世界一周できる方法を探していたところ、母がピースボートのことを教えてくれました。

これなら1人で行くわけでもないし、安心して送り出せるって感じでかなり両親が乗り気でした(笑)。

そのままピースボートの説明会に行って、自分が卒業して一番近いクルーズに申し込みました。

―その時はどんな旅をしようと思っていましたか?

当時は、若かったので全然どんな旅にするという明確なものはなくて、気づいたら世界一周の船に乗船していました。

船に乗ってから、日本全国や他の国からいろんなバックグラウンドを持った人たちが乗船していることに気づきました。それからは、これまでの普段の生活では関わることのなかったような人たちともたくさん繋がりを作れる旅にしたいと思いました。

ボランティアスタッフ活動は「はじめて」がいっぱい

<ボランティア活動で船賃全額分の割引を貯めたので、船賃0円で地球一周しました。(全額分割引達成=全額クリア略して全クリです)>

―地球一周する前のボランティアスタッフ活動はいかがでしたか?(ボランティアスタッフは活動に応じて船賃の割引を受けることができます。)

鮒に乗ることを決めた後は、ほぼ毎日ピーセンおおさかに通ってポスターを貼るボランティア活動を行なっていました。

本当に衝撃的でした。いきなり店に入って「ポスター貼らせてください」とお願いするんです。(多くが継続的にポスターを貼らせてくれている店への貼り替えなので、安心です。)

それまで、そんな経験をしたことがなかったのですごく楽しかったです。

結局、3か月ほどピーセンに通って船賃全額分の割引を貯めることができました。

―ボランティアスタッフをしてよかったと思うことや得たことはありますか?

これまでに経験したことがないことをしたり、世界一周を目指している仲間との交流はその時の自分の人生観を大きく変えましたね。

自分と同じように世界一周を目指している人がこんなにもいるんだと驚きましたし、毎日が刺激的でした。

ジャマイカの海は世界一美しかった

―99回クルーズでは108日間かけて22ヵ国24の港を訪れましたが、訪れた寄港地で一番おすすめしたい場所はどこですか?

間違いなく僕は、ジャマイカのモンテゴベイです。

最初は、ジャマイカ???とそんなに自分の中で聞きなれない国だったので、そこまで興味を持たず、港に降りる当日まで特に調べもしませんでした。

たまたま友達に誘われてビーチに行くことになりました。訪れたのはモンテゴベイのドクターズケーブビーチでした。

ここは僕がみた世界のどこの海よりも透明度が凄まじく綺麗。そして日本人観光客などそうそういないので海外にきたと思える素敵な場所でした。

海が綺麗な国は?と考えるとモルディブやハワイが有名ですが、断然ジャマイカの海を訪れた方が感動すると思います。

また、陽気なジャマイカの明るい感じも好きでした。ぜひ、このブログを見ている方も行ってみてください。意外に、メジャーじゃない国の方が気に入るかもとこの時思いました。

自分だけの地球一周の楽しみ方を見つけよう

<船で出会った仲間とミュージカル「アラジン」を上演>

―船内ではどんな風に過ごしていましたか?

一言でいうと、忙しくて楽しかった。

間違いなくクルーズ中の3ヶ月間は、死ぬほど忙しい感じがしたし、どの場面を切り取っても楽しかったです。

船内は、自分のしたいことをなんでも立ち上げられます。(ピースボート船内では様々な講座やエンターテイメント企画などがありますが、参加者自身が1から作り上げる「自主企画」も人気です。)

僕の場合は、バンド、ミュージカル、お笑いなどなど、数えきれないくらいのイベントを作ったり参加したりしました。

<人生ではじめてのバンド活動は船の上>

それを全てできたのも一緒に乗っていた仲間が素敵な人ばっかりだったからだと思います。

―地球一周をおもいきり楽しむタケル流のコツを教えてください。

地球一周中は悔いの残らないような選択を毎日選ぶ。ただそれだけです。

というとじゃあ選択の中で不正解もあるじゃないかと思う方もいると思いますが、違います。

AとBの選択肢は、どっちを選んでも自由だし間違いなんて船にはいや世界にはありません。

僕は毎日忙しい日々を送っていたけど、逆にのんびり3ヶ月間を楽しんでいる人もいたので、どう船旅を楽しむかは自分次第。

どんな選択でも、不安は置いておいてあなたが楽しいと思う方を選択すれば大丈夫!

ピースボートでたくさんの人と出会ってたくさんの挑戦ができた

<次はスタッフとしてボランティアスタッフたちの背中を押す番。自分の経験を元にポスター貼りのコツを伝授>

―地球一周から帰ってきたあと、どうしてピースボートスタッフになろうと思ったのですか?

地球のすばらしさを多くの人に伝えるためにスタッフになりましたと書きたいところですが、本当はこんな楽しい経験をしてスタッフにならない選択肢が見つかりませんでした。

スタッフにならないかと誘っていただいた当時のスタッフには感謝です。

―スタッフとして関わる中での印象的なエピソードはありますか?

そうですね、今考えると毎日が楽しかったです。ピースボートには、多くの人が集まっています。

地球一周を目指してボランティアスタッフ活動をがんばっている人、そんなボランティアスタッフたちの相談に真摯に向き合うスタッフ、地球一周した後もふらっとピーセンおおさかに来てくれる人…。

「人」が毎日自分に元気ややる気をくれました。

<ピーセンを飛び出してみんなでキャンプをしたことも>

―参加者・スタッフとして関わってみて、改めてピースボートのおもしろさってどんなところにあると思いますか?

そうですね、否定をされないところです。

いろんな挑戦に対して否定から入らず、まずは成功しても転けてもさせてもらえることが一番おもしろいなと思います。

僕は高校卒業後に世界一周して、すぐにピースボートスタッフになったので他の会社がどうかは知りませんが、挑戦をこんなにも応援してくれるところはないと思っています。

素敵なところに4年間お世話になりました。ありがとうございました。

阿蘇の大自然に囲まれてコロナ禍を吹き飛ばすべく奮闘中

―今は何をしていますか?

もともと、弟と一緒に起業したいというのが夢でした。その中で、自分にはもっと勉強、経験しないといけない部分があると思いピースボートを辞めて、今は実家の旅館を手伝っています。

初めはピースボートをやめてから東京に行き、弟と一緒に暮らしながら今自分に足りないものを学んで行こうと考えていましたが、なんだかしっくりきていませんでした。

今一度しっかり考えてみました。何か、大きな成功体験がなければ自分たちは起業などできる人間になれないと感じました。

コロナ禍を、どんでん返しできるようなことがあれば大きな成功体験になるんじゃないかと思い、考えてみると、自分の家は熊本の阿蘇で旅館業を営んでいます。

観光地である阿蘇市もコロナで大打撃を受けており、それを自分の手で変革することができればこれは大きな成功体験になると考えて実家に帰ることを決意しました。

―それでは、阿蘇のPRをご自由にどうぞ!

まだまだ、変革途中ですが魅力ある阿蘇に行ってみたい方はどうぞお越しください。

毎日阿蘇の景色をあげているのでインスタもどうぞご覧あれ。

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阿蘇は、すごく素敵な場所なんです。自然がいっぱいで都会から帰ってきた時は本当に癒されるしなんだか時間の流れが不思議なんです。

ゆったりというかゆっくりというか、こんなにゆっくりしてていいのかなと思うくらいゆったりできる場所です。

かと思えば、圧巻の大自然を日常的に見ることができます。

阿蘇に住んでいる人たちは普通のように過ごしていますが、到底他の場所では見ることができません。

世界一周中に見たいろんな景色にも負けていません。熊本の阿蘇市というよりも世界の阿蘇市だと僕は思っています。

そして、僕が働いている実家は祖母から引き継いでいる、まるで田舎に帰ってきたかのような気分になれる温かい旅館です。

なんと天然温泉付き!阿蘇の大自然に包まれながら温泉に入ると本当に疲れが消えます。

僕は小さい頃からこの温泉に浸かってきましたが、間違いなく僕の元気の秘訣でもあると考えています。

また、旅館に泊まりにくるならやっぱり気になるのは料理。女将こと僕の母が、地の物を使い腕を奮って料理を作っております。かなり好評です。

ぜひ、阿蘇に立ち寄った際はうちの旅館でみなさんと「お帰りなさい」「ただいま」と挨拶させていただきたいです。

詳しくはこちらの「阿蘇乃湯」の公式サイトをご覧ください。

経験こそが人生をよくする

―今後の展望や目論んでいることはありますか?

5年で実家の旅館を伸ばせるところまで伸ばしたいです。また色々な出会いを通じて大きな人間になっていきたいと思います。

今はそれだけです。あとは大きくなってからまた報告します!

―最後に、これから地球一周に行こうと思っている人や、迷っている人に一言お願いします。

地球一周に行きたい人も、そうでない人も、人生は経験こそがその後の人生をよくし続けてくれます。

経験は、やりたいと本気で望む時に訪れてくれると僕は本気で思っています。

なんでもいい。自分のやりたいことに筋を通していきましょ。

ではまた!!!!!

阿蘇の美しい景色をアップしているたけるのインスタグラムは必見です。毎朝すてきな風景をバックにたけるが叫んでいるストーリーズに元気をもらえます。

たけるの地球一周やピースボートでの経験は、故郷の阿蘇に繋がっていました。

迷ったときは楽しいと思える方に進む。選択肢の中に間違いなんてないのだから。その言葉通りに進み続けるたけるのこれからが楽しみです。

 

編集:森田幸子