ピースボートは3回楽しむことができる!四国に夢を!四国キャラバン

「地球一周の船旅」に想いを馳せる四国ポスター貼りの旅でした。

こんにちは、ピースボートスタッフの野々村修平です。11月30日(月)~12月4日(土)にかけて四国キャラバンが開催されました。訪れた地域は四国2県、愛媛県と香川県です。ここで、5日間にわたってピースボートのポスターを貼りました

ピースボートのキャラバンは現代版ドラクエ!

そもそも、キャラバンとはなんでしょう? 私のイメージは小学生時代に培った記憶。大人気ゲームドラゴンクエストの主人公を起点に縦一列に並んで世界中を冒険することです。

キャラバンとは「目的のために組まれた集団」という意味があり、遠くの各地を遠征するグループを表す言葉として使われます。ピースボートの地球一周という目的を持ったメンバーが、ポスター貼りのために遠征しながら目的に近づいていく。つまり現代版のドラゴンクエストです。

そんな楽しそうなイベント参加するほかありません!

では私たちが過ごした5日間のほんの一部分を切り取って、紹介していきます。

そもそもなぜ遠方にポスターを貼りにいくの?

ピースボートセンターが存在しない地域の人にも地球一周を知ってもらうためです。SNSが急速に発展している昨今ですが、やはり美しい色彩と寄港地・世界遺産がプリントされたデザインのポスターを立ち止まって見ている人は多い気がします。

実はこのポスターには魔力があります。普段は視界に入らないのですが、突如として視界の中に入りこんでくる日がやってきます。人は直感を感ずる生き物です。思考する前にピンときたものは、今あなたが欲しているもの。それは隠すことができない事実だと思っています。ポスターが気になり始めたその瞬間から、あなたの旅は始まっているんですよ。

さあ、四国に向けて出発

ポスター貼りに欠かせないバインダーはみんなへのプレゼント!6人のボランティアスタッフ(以下、ボラスタ)といっしょに5日分の荷物を準備し、目標を決めて出発!

初日は愛媛県。新居浜市・西条市・今治市に訪れました。

新居浜市といえば江戸初期から400年続いた日本三大銅山の一つ、別子銅山を有しています。標高750mの山中に3,800人が暮らしていた東洋のマチュピチュとも言われる天空都市ですね。また西条市といえば西日本最高峰の山、石鎚山が有名です。山自体が神と崇められている神聖な場所で、近年パワースポットとして登山者の中でも人気の山になりました。

今回は上記の両市をベテランのボラスタに託し、私は2名のポスター貼りに同行するために今治市へ。大好きになりましたよ、今治。

しまなみ海道の起点、今治

駅に降りると早速、私たちをご当地キャラのバリィさんがお出迎えしてくれます。近くにあったバリィさんの説明書きには……

焼き鳥のまち今治生まれ、今治育ちのトリ。頭に来島海峡大橋をイメージしたクラウンをかぶりタオル生地のハラマキをしている

とにかく今治をここぞとばかりに主張した、ゆるキャラです。そして右手に何か持っているぞ!

船?

歴史ある造船の街

注目すると、バリィさんは船の形をした財布を持っていたんです。今治市には「瀬戸内の海から世界の海へ」をテーマに造船所が連なっています。海の上で仕事する私にとって、とても興味をくすぐる街のようです。ここからたくさんの船が作られ、世界の海を渡っていくんですよ。夢がありますよね。


全世界の海洋を7つに分類し7つの海と表現することがあります。大西洋、地中海、カリブ海、メキシコ湾、太平洋、インド洋、北極海。私はすべての海洋を旅してきましたが、海の色や波の荒さ、塩の香りや生息する海洋生物までもが異なります。そう「海」は海という一言では片付けられない存在です。もちろん瀬戸内海にもこの海にしかない魅力がありますね。

今治を見守り続ける、菓舗ムロヤ本舗

広島県尾道市と愛媛県今治市を結ぶ全長約60kmの海の道「瀬戸内しまなみ海道」は、日本で初めての海峡を横断できる自転車道として有名で、「サイクリストの聖地」とも呼ばれています。

<サイクルステーション。尾道まで駆け抜けるために自転車のメンテナンスを行える>
<サイクルオアシス。休憩所が至る所に設置されている>

そんな街道の起点にある商店街でポスター貼りをしている最中、しまなみ海道を渡る方々にお茶とお菓子を振る舞う一つの店舗がありました。とても歴史のある建物だなと思って入店。


なんと創業年は明治12年。今もなお続く歴史あるお菓子屋さんです。初代がこの商店街に初めて店を構えて140年、これまでずっと商店街を見守っているのだそうです。ちょうど、しまなみ海道の起点に位置していることもあり、自転車に乗った方々を頻繁に見かけます。そういう人たちに店主は声をかけては温かいお茶と和菓子を振る舞ってあげるのだとか。この優しさが、長く続く秘訣でしょうね。

私も数々の店舗に足を運んできましたが、親切な対応をしてくださった店はいつまで経っても記憶に残ります。次回、今治に足を運ぶことがあったら、私は必ずこのお菓子屋さんで和菓子を買うでしょう。こうやって顧客は増えていくんだなーと感じる今日この頃。

新しくポスターも貼らせていただき、挨拶をしてお店を後にしました。そして商店街を出て瀬戸内海側に進んでいくと、程なく趣のある陶器を扱うお店を発見。店舗の側面には古いポスターが貼られていますね。さあ貼り替えだ!

明治元年創業、あおの陶器

明治元年創業、すなわち149年もの歴史を有しています。今治は歴史がありますね。「いつもポスターをご掲示くださりありがとうございます」と挨拶をしに入店しました。どうやら長年にわたって地球一周のポスターを貼ってくださっているようです。

そうすると「時間があったらぜひ美味しい料理屋さんに連れて行ってあげたいけど、あいにく今日は来客があってね……」と親切極まりない対応をしてくださいました。そして、帰り際には手土産で御守りまで渡してくれました。

少しお話を伺ってみることに。実はそこには感動のエピソードが待っていたんです。とにかくピースボートのことをよく思ってくださっているようで、理由を伺ってみました。そこにはあるボラスタが関係しているようです。

昔ね、ここにポスターを貼らせてくれと頼み込んできた女の子がいてね、私がポスターなんて貼ってどうするの?と聞いてみたら、こう答えたんだよ。

「このポスターを貼ったら私、地球一周にいけるんです!」
「それもこのお店で最後なんです!」

とても目を輝かせていたから忘れられないな。それだったら貼ってもいいよと言ったことも覚えてる。その時は若者が頑張っている姿に感化されてポスターを貼らせてあげたんだけど……。それから半年ほど経過したある日、一通の手紙が届いてね。見慣れない海外からの手紙で何かの間違いかなと思ってみてみたら、そこにはあの時ポスターを貼らせてあげた女の子が写っていてね。満面の笑みで笑っていたよ。
空いているスペースをいっぱい使って「あの時ポスターを貼らせてもらったものです。無事に地球一周中です!ありがとうございました」そう書かれていたよ。
あの時、ただ1枚のポスターを貼らせてあげただけなのに、彼女はしっかりと自分の夢を叶えたんだって、胸が熱くなりましたね。

まさかこんなエピソードと出会えるとは。私もこの話を聞きながら、感極まって少し涙してしまいました。

「ピースボートは3回楽しむことができる」

その最初の楽しみが、乗船前です。2つ目が洋上での100日間の思い出と、3つ目は下船後にも続く一生の友人たちとの時間。日常では味わうことができない、さまざまな出会いと今しか感じることができない時間はかけがえのないものだと改めて感じました。

そんな時間を過ごしているとあっという間に日が暮れてきます。今治港の景色を眺めながら、このブログを書いているんですが、今治の温かさには妙な懐かしさを感じました。ふとテラスを見ると、のんびりと珈琲を飲みながら海を眺めているご夫婦がいました。素敵ですね。

来島海峡を見ながら、今この瞬間に頑張っているボラスタへ、エールを送りたいと思います。歴史と海に護られた今治、街の人たちが温かい場所。私の大好きな街の一つになりました。さあ次は愛媛県の県庁所在地、松山市へ。

旅の疲れを癒す道後温泉と夏目漱石の愛した街

<松山城>

さて松山市にやってきました!道後温泉まで徒歩10分程度の場所にある旅館に宿泊しながら市内をポスターで埋め尽くします!私はこの日さまざまなエリアに繰り出すボラスタの元へサポートに出かけます。県庁付近での仕事を終えて次の目的地、大街道駅まで移動するときに松山城を少し経由していきました。市内の中央に君臨する松山城、別名金亀(きんき)城の存在感はやはり圧倒的ですね。

松山の市内を一望。今ここで6人のボラスタがお店をくまなくまわっているんです。この広い土地に、数日で1,000枚以上のポスターが貼られていると思うと感慨深いですね。そうゆっくりとしている時間もないので、大街道側へ駆け降りてみんなと合流します。そんなこんなで、もう夕暮れ時。

ここでキャラバンの時におこなう私の習慣を少し紹介しますね。それがお参りです。エリア内にある心願成就の神社でキャラバンの成功、すなわちみんなの地球一周の成功をお祈りすることを習慣にしています。今回選んだスポットは「伊佐爾波神社」。ここは道後のパワースポットとして人気です。現社殿は松山三代藩主・松平定長が将軍から流鏑馬(やぶさめ)を命じられた際、八幡様に必中を祈願して成功させたことから、心願成就のご利益があるとされています。

見てくださいこの階段。いかにもパワースポット!ちょうど日の入りの瞬間も見られそうだったので、急ぎ足で登っていきます。128段もありますよ。美しい夕日に、少し足を止めて感慨にふけます。

私がボラスタ時代、初めて参加したキャラバンが四国でした。4年前、私もまったく同じように松山市でポスターを貼っていたんです。我武者羅に、世界をみるために、ただひたすら走り周っていましたね。その時に引率してくれたスタッフが神野景子(現在は同僚として大阪の事務局で勤務しています)でした。自らを顧みず、必死に私たちをサポートをしてくれたことが印象に残っています。だからこそ、あの時私が最後まで走り抜けたように、今を駆けるボラスタの支えになりたいと思っています。

<4年前の四国キャラバン>

もう4年前なんだと、驚きもあります。なによりも私がこの4年間で見た世界は計り知れない刺激を持っていました。ピースボートに出会えたことで、また新しい人生が始まったと思っています。

ボラスタのみなさん、今は本当にしんどいし大変だと思うけど、きっとそう思うのは今だけ。この瞬間、みんなは着実に一歩づつ前進しているから自信をもって。ちゃんと出航する最後までみんなを送り出すからね!約束だ。

保存修理工事期間の7年間は、道後の次の100年をつくりあげる貴重な時間

夜は疲れた体を癒すため道後温泉へ。せっかく四国にまで来て、これから船に乗るメンバーで訪れているのだから観光の時間もしっかりとります。

現在の道後温泉には、手塚治虫さん原作の火の鳥があしらわれた期間限定の姿がありました。実は道後温泉本館は7年もの期間をかけてこれから保存工事に入るようです。劣化した建物を修復し次の100年へと繋げていくんですね。ただ閉鎖はせず、魅せる保存修理工事をテーマとしてプロジェクションマッピングが光り輝く新しい姿がそこにはありました。

しかしまさに温泉街。この場にいるだけで疲れが吹き飛びますね。

今回のキャラバンメンバーと記念撮影!中間地点で更に目標の再確認と明日の意気込みを述べて締めくくります。

うどん県!香川

やってきました香川県。日本最大のアーケード商店街を有する、うどん県の異名を持ち合わせた讃岐の国。香川に来たからには、早速うどんを食べないことには始まりません。

香川県では数多のうどん屋さんが凌ぎを削っているので、それぞれのエリアで昼食も楽しむことができる、これもキャラバンの魅力なんです。慌ただしく街を周りながら、カフェで作業をしていたらあっという間に香川での2日間が過ぎてしまいました。

地球一周を目指してポスター貼りキャラバンに参加しよう

もうキャラバンも終了。本当にあっという間の時間でしたね。さあみんなにとってどのような5日間でしたか?楽しいと思ってもらえたら嬉しいばかりです。私も素敵な出会いと時間、そしてみんなの成長する姿を見られたことを誇りに思います。

キャラバンはボランティア初心者の方も大歓迎です。引率スタッフがいるので慣れていない方には、付きっきりでレクチャーさせてもらいますよ。地球一周に近づきたい。同じ船に乗る仲間と交流したい。キャラバンは定期開催していますから、どんな動機でも構いません。参加希望があれば、ぜひスタッフまでお気軽にお声かけください。

やはりキャラバンを走り抜いた達成感は、参加したメンバーにしか味わえないかけがえのないものです。次はあなたの番です!

頑張ったメンバーをピーセンで出迎えてくれたみんなにも感激!四国キャラバンに参加したボラスタのみんな、本当に頑張りました!自分を褒めてあげようね。

 

ピースボート 野々村修平

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