3年ぶりのクルーズは日本一周でした

みなさんこんにちは。ピースボートセンターおおさかの野々村修平です。

8月は、約3年ぶりに船旅に乗船しました。

私が乗ったのは、19日間の日本一周クルーズです。地球一周クルーズのようにいろんな国を巡るのではなく、日本の魅力を再発見できるように、約10の寄港地をしっかりと観光できるクルーズです。

思い出を振り返りながら、ピースボートの船旅への想いを書きました。

再び動き出したピースボートの船

<ウェルカムセレモニー。Photo by Takayuki Suzuki>

日本一周クルーズは7月29日に東京を出航し、石巻、釧路、小樽、函館、金沢、境港、釜山(韓国)、那覇を巡り、そして8月16日に東京に帰港しました。

この日本一周クルーズには、国内のみならず、多くの海外からの方も含め総勢1,700名もの参加者が乗船されていました。実はこれはピースボート史上最大の人数です。

船の上でこの3年間を思い返すと、コロナ禍で止まっていたクルーズの歯車が再び動き出したことを実感しました。

今春、4月7日にコロナ後初のピースボート地球一周の船旅 Voyage114が出航したとき、不思議と涙が出たことを覚えています。

以前は当たり前のように船が動く、と思っていました。コロナ禍を経て気づきました。船が動くことは決して当たり前ではありませんでした。

船は1人の力だけでは動かすことができません。たくさんの準備とたくさんのサポートがあって初めて出航できるんです。

この偉大さを改めて感じつつ、自分自身も更に身を引き締めたい想いです。

<Photo by Takayuki Suzuki>

春に見送ったVoyage114は地球を巡り日本に帰ってきました。Voyage114が築き上げた大切なバトンを次のクルーズに繋げていく、1人じゃなくて、スタッフみんなで作り上げていくこの船の感覚が私は好きです。

そして次は日本一周、自分の出番です。船内に一歩足を踏み入れた時、参加者を迎え入れる準備をしている時、そして参加者が乗船してくださった時、ゆっくりと進む船のデッキから景色を眺めていた時…。ちゃんと船が動いていることを実感できた瞬間でした。

あまり自分を評価する性格ではないですが、コロナ禍の船が出せなかった日々を乗り越え、再び船に乗っている自分に「ここまでよく頑張った」と言葉をかけてあげたくなりました。

洋上生活を彩る船内企画を担当しました

<デッキで盆踊り。Photo by Takayuki Suzuki>

日本一周クルーズでは、私は船内企画を担当しました。クルーズと言えば、洋上の移動時間は暇なのではないかと疑問を持たれている方が多いかもしれません。

実は1日に60〜70個ほどの企画が実施され、朝から夜まで休む暇もなくぎっしりと詰まっています。

一つ一つの企画には、その企画を考案する企画者がおり、その企画にはその人の想いがたくさん詰まっています。

<ゲストによる講演会やライブは大人気。Photo by Takayuki Suzuki>

そのような膨大な数の企画を取りまとめて、滞りなく企画が行なわれるようにするのが私の担当でした。

一つの企画をつくるには膨大な時間を要します。関わる人とのコミュニケーションや機材のセッティング、船内で発行している新聞への投稿やタイムスケジュールの管理など、やることはいっぱいです。

でも、このバタバタ感こそが企画担当の醍醐味であり、やはりピースボートの真骨頂ではないでしょうか。

<世代や国を越えてみんなでゲームを楽しんでいます。Photo by Takayuki Suzuki>

ピースボートならではの運動会や夏祭りなどの大型企画から、参加者の趣味や特技を披露できる自主企画まで幅広く催されました。

参加された方が一つ一つの企画に心動かされ、ピースボートの船旅をもっと好きになってくれていたら本望です。

250名の子どもたちと一緒に…

<卓球大会に参加した皆さんと>

さて、船でできる人と人との繋がりは、とても大きな意味を持ちます。

洋上で過ごす時間が経つにつれ、人との繋がりは友情という言葉では表せないような、まるで家族と会話しているかのような温かみのある時間に変わっていきます。

この瞬間が私は好きです。

クルーズの終わりが近づいてくると、まだ船を降りたくないな、と自然に想いが込み上げてくるものです。この出会いと別れこそが、人を成長させてくれます。

私は20代半ばで初めて地球一周の船旅に参加しました。船旅の経験は若ければ若い時ほど、多様な経験ができると考えています。

今回の日本一周クルーズでは18歳以下の約250名の子どもたちが乗船していました。

子どもの頃に船という特殊な環境に身を任せ、船に乗らなかったら出会うことがなかったであろう人と出会い交流し、洋上を共に過ごす時間はかけがえのないものになったと思います。

また今回のクルーズには、日本以外の18の国と地域からも参加していました。中でもニュージーランドのマオリの子どもたちは約30人乗船していました。

<日本文化交流。Photo by Takayuki Suzuki>

船の上では子どもたち同士も、言語を超えて国際交流し異文化に触れていました。

このような経験を意識しなくとも日常の一部として触れることができるのが船の生活です。

日本一周クルーズに参加した子どもたちはどのような想いで19日間を過ごしたのでしょうか?

彼らの人生が少しでも豊かになる旅になっていたなら幸いです。

これからも船旅は続きます

<デッキから見えた大きな虹!>

振り返ると私自身も19日間の中で、船旅を楽しむことができました。

そして、何より3年間待ちに待って乗船された参加者の皆さんと共にこの旅の思い出を共有できたことを幸せに感じます。

私の心を豊かにする旅、次はどこに行けるのか今から楽しみで仕方がありません。

 

ピースボートセンターおおさか 野々村修平