こんにちは。ピースボートセンターおおさかでボランティアスタッフをしている船橋誠大(ふなはしせいた)です。
現在、近畿大学国際学部の三回生で、主に英語の勉強をしています。
大学帰りや休みの日にピースボートセンターで活動し、地球一周の船旅に向けて船賃の割引を貯めています。
ピースボートではポスター貼りをはじめとする様々な活動によって船賃の割引が貯まりますが、今回私が参加したのは、ピースボート地雷廃絶キャンペーンP-MACの募金活動です。
この記事では、世界で起きている地雷問題、P-MACの活動内容、そして私が都会の喧騒の中で実際に街頭募金に参加して感じたことをまとめています。
今も深刻な地雷問題
日本で暮らしていると、地雷の被害に遭うことなどありませんが、世界の国々には、まだ多くの地雷が埋まっており、毎年多数の被害者が生まれています。
地雷禁止国際キャンペーン(International Campaign to Ban Landmines)の「ランドマイン・モニター報告2022」によると、2022年10月時点で67の国と地域に地雷が埋まっているか、その疑いがあります。
また、2021年の1年間だけで、世界50の国と地域で5,544人の方が地雷の被害に遭い、そのうち2,182人の方が亡くなりました。
私たちが平和な1日を過ごす間に、世界のどこかで地雷によって四肢を失ったり、命を落としたりする人々が確かにいるのです。
そして、地雷の使用自体もいまだ終わっていません。ロシアによる軍事侵攻が続くウクライナでも、被害の報告が寄せられています。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)の報告によると、2022年2月24日から2023年2月15日までの間に、ウクライナでは地雷や不発弾によって632人の民間人が被害に遭いました。このうち219人が死亡しました。
また、ウクライナのシュミハリ首相は見解として、「国土の40%にあたる25万平方キロメートルが地雷原になっている」と話しました。
地雷は、一度埋められてしまうと誰かが踏むか、除去しない限り半永久的に残ります。
地雷の被害を受けた人々は、その後の生活していく中で、身体的にも精神的にも大きな苦痛を与えられることになります。
また、汚染地域に住む人々は、いつ爆発するかもわからない地雷の恐怖と、自分の家族や友人が被害を受けたことによるトラウマなどで今も苦しんでいます。
これらの現状から、地雷問題が世界的にも非常に深刻で、国際的な協力によって解決されるべき問題であり、地雷被害国に住む人々への支援が必要であることがわかります。
ピースボート地雷廃絶キャンペーンP-MAC とは?
このような地雷問題の深刻な現状を踏まえ、国連機関や世界中のNGOが地雷被害国への支援を行っています。
ピースボートでは、1998年からピースボート地雷廃絶キャンペーン(Peace Boat Mine Abolition Campaign)、通称P-MACを発足し、地雷埋設国のカンボジアやアフガニスタンなどで地雷除去を行っている政府機関やNGOの支援を行ってきました。
P-MACは発足以来、「地雷をなくそう100円キャンペーン」という募金活動を続けています。
このキャンペーンでは、地雷除去にかかる費用が、1㎡あたりおよそ100円であることから、ジュースも買えないお金で国際協力ができるとして、募金を呼び掛けています。
また、日本にいてはその深刻さがわかりづらい地雷の問題を、より多くの人々に知ってもらうため、「1人の100万円より、1万人の100円を集めよう」という想いで活動を続けています。
このキャンペーンでは2020年1月末までに22か所、200万㎡の土地の地雷除去を支援し、1,000個以上の地雷と不発弾が処理されました。
除去後の土地は小学校や保健所として、現地の人々に使われています。
これまでの支援が認められ、2016年にはピースボートがカンボジア王室より「カンボジア王国友好勲章」を受賞しました。
その他具体的な支援場所、集まった募金総額やその使い道については、こちらを参照してください。↓
P-MACこれまでの活動報告書 | 国際交流NGOピースボート (peaceboat.org)
人の温かさに触れる募金活動
全国に5か所あるピースボートセンターでは、定期的にP-MACの街頭募金を行っています。
私はピースボートセンターおおさかのボランティアスタッフとして、大阪の中心部、梅田にある堂山交差点で2週間に1回程度、木曜日に街頭募金に参加しています。
堂山交差点は、多くの人や車が行き交う場所なので、非常に騒がしいですが、その分人々の注目を浴びやすいです。
大きな声で募金を呼びかけると大体の方は素通りされますが、中には立ち止まってみてくれたり、無言でポケットの小銭を入れてくれたりする人もいました。
30分の活動を終えて、ピースボートセンターに戻る途中で、さっき募金したかったけどできなかったから、と言ってお金を入れてくれた学生さんもいました。
私はピースボートセンターおおさかに来るまで、街頭募金に参加したことはありませんでした。
以前は街頭募金と聞くと、何円くらい貯まるのか、という金額面での興味が大きかったです。
しかし実際に街頭募金をしてみると、何円貯まったかはそれほど気にならず、どれくらいの方々が協力してくれたかを意識するようになりました。
実際に目の前で直接募金を頂き、その方々の温かさに触れると、その募金額にかかわらず同じようにうれしい気持ちになるからです。
これは、今まさに地雷の被害に苦しんでいる人々にとっても、同じだと思います。
より多くの人々が地雷問題について知り、支援の一歩を踏み出してくれることは、とてもうれしいことだと思います。
地雷をなくすための募金にご協力ください
ここまで長くなりましたが、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
この記事を読んで、P-MACの募金に協力してもいいと思った方は、以下のリンクから寄付をお願いします。
文:船橋誠大 編集:森田幸子
写真:内田和稔、ピースボート
参考文献:
Ukraine Has Largest Minefield In The World, Prime Minister Says (rferl.org)
Civilian casualties in Ukraine from 24 February 2022 to 15 February 2023 | United Nations in Ukraine
ウクライナの地雷・不発弾 農業生産にも打撃 | 解説コーナー | AAR Japan[難民を助ける会]:日本生まれの国際NGO
地雷廃絶キャンペーン(P-MAC) | 国際交流NGOピースボート (peaceboat.org)