忘れられない夏の思い出。子どもたちと過ごした日本一周20日間の船旅

【SDGsとピースボートとわたし】教育は世界のすべての問題解決につながっている。

【SDGsとピースボートとわたし】シリーズ

ピースボートは、国連との特別協議資格を持つNGOとして、国連「持続可能な開発目標 (以下SDGs)」の達成を目指すさまざまなプロジェクトに取り組んでいます。そして、わたしたち一人ひとりの行動もSDGsを意識することで、よりよい世界をつくることにつながっています。ピースボートスタッフが考える、それぞれの「SDGsとピースボートとわたし」の関係を紹介します。

みなさんこんにちは!ピースボートスタッフのゆりゆりこと、村上佑理です。今回は「SDGsと私とピースボート」ということで、2019年の夏に出航した日本一周クルーズに乗船した際に担当した、子どもアクティビティプログラムについてお話ししたいと思います。SDGsのゴールでは【SDGs 4 質の高い教育をみんなに】に関係します。

私自身の自己紹介を簡単にさせていただくと、元々高校時代に出会った恩師に憧れ、教師になることを目標に、大学では教育について学んでいました。学生時代も塾講師や家庭教師、小学生の放課後デイサービスなど、こどもに関わる教育関係のバイトを行なっていました。

そして、ピースボートで世界を旅することで、私自身多くの学びを得ることができたと同時に、このような学びの場に、小中学生や高校生といった多感な時期の子どもたちに参加してもらいたいなと思うようになりました。そこで、日本一周クルーズで小学生向けの学びのプログラムを実施すると聞いて、ぜひ関わりたいと思いました。

日本一周クルーズ 子どもアクティビティ

日本一周クルーズでは、34名の小学生が参加してくれました。ピースボートならではの体験や出会いを通して、楽しい思い出やたくさんの学びを得た20日間になりました。

子どもアクティビティでは、洋上期間は毎日プログラムを実施していました。その中でいくつか子どもアクティビティの様子をご紹介していきます。

世界の文化に触れてみよう

このクルーズでは、世界の若者がアジアの平和について学ぶ地球大学特別プログラムが行われていて、その参加者と交流をしました。アメリカ、タイ、マレーシア、台湾など様々な国から来ている若者と色んなゲームを通して異文化交流をしました。

ハイタッチゲームをしてからどこの国から来ているのか、それぞれの国の言葉であいさつをしてもらいました。最初こそ少し緊張していた子どもたちですが、ゲームをしていくとどんどん距離が縮まったようです。最後には、全員で「幸せなら手をたたこう」をそれぞれの国の言語でみんなで歌いました。なかなか触れる機会のない言語や文化に触れることができ、たくさんの発見や学びがあったとてもいい機会だったと思います。

SDGsってなあに?

ピースボートはSDGsの公式キャンペーンシップとして認定されています。プログラムの中では、「世界に足りていない先生の数は?」「学校に通えていない子どもたちの数は?」などクイズを出し、みんなでイメージを持つことから始めました。

<薬や毒入りと書かれていても、文字が読めないとわからない>

次に「もし字が読めなかったら?」ということを疑似体験するワークショップを通じて、識字率の問題について考えました。また、ピースボートの船にあるSDGsのキューブを使いながら世界をよりよく変えるための17の目標について勉強をしました。

へいわってなぁに?

日本一周クルーズでは、世界で初めて原子爆弾が広島に投下された8月6日に広島、そして8月9日に長崎を訪れました。私自身、広島出身ということもあり、8月6日に「第二次世界大戦」と「原爆」についてお話をしました。また、戦争当時の小学生がどんな生活を送っていたのかを紹介し、もし自分が戦争当時の小学生だったら?と想像出来るようなワークショップを実施し、子どもたちと平和やしあわせについて一緒に考えました。

<船から眺める長崎の街>

日本一周クルーズで子どもたちと過ごした20日間の中で、私自身も多くのことを学ぶことが出来ました。そして、改めて教育の大切さを感じました。SDGs 目標4「 質の高い教育をみんなに」を達成することは、世界が抱える貧困・飢餓・健康・ジェンダーなど数多くの問題を解決することに繋がると思います。

こどもたちとのクイズの中にもありましたが、世界の教育の現状を見てみると、先進国と発展途上国などで大きな教育格差が生まれています。また、日本は世界的にみても恵まれている国と称されることも多いですが、日本国内に存在する貧困による教育格差も決して無視できないものです。

世界の現状をみてみよう~百聞は一見に如かず~

ピースボートの旅では、世界各地を訪れる中で、その国の歴史や文化、また様々な問題について学ぶことができます。私自身実際に現地を訪れ、自分の目で見て、現地の方と話して、肌感覚で感じて得られることが多くありました。世界一周の中で何か学びを得たいと考えている方には地球大学というプログラムもとてもおススメです。

私の経験を元に、地球一周しながら学びたい学生に向けて書いた記事もあります

旅に出られない今だからこそ

実際に現地に行くことができない今、映画や本から情報を収集するのも1つの手段かもしれません。また、現在ピースボートではオンライン勉強会を行なっていますので、世界の現状を知りたいといった方はぜひこちらもあわせてチェックしてください!

ピースボートのオンライン勉強会

SDGsの目標4「質の高い教育をみんなに」といっても、様々な問題が絡み合っており、簡単には達成しにくいものだと思います。しかし、一人一人が現実を知ってアンテナを高くし、ほんの少しの行動を変えていくことが大切なことだと思います。そうすることで、それはきっと簡単には折れない強固な力になるはず!

おススメの映画・本紹介

未来を変える目標: SDGsアイデアブック
一般社団法人Think the Earth 編著 紀伊国屋書店
SDGsの各目標がわかりやすく見開きでまとめられているだけでなく、その目標に対する企業や行政の面白い取り組みが取り上げられています。持続可能な社会の実現に向けて何ができるか考え始めるきっかけを得ることができるのでおススメです♬

2030年の世界地図帳 あたらしい経済とSDGs、未来への展望
落合 陽一 著 SBクリエイティブ
SDGsをテーマに2030年の未来を考えるというコンセプトの本です。地図・グラフを駆使して紹介されているためとてもわかりやすく、SDGsについての理解を深めることができます!

世界の果ての通学路
道なき道を何時間もかけて通学する子どもたちを追ったドキュメンタリー映画です。様々な生活環境の中で暮らす4人の子どもたちが通う“世界の果ての通学路”。その思いは、「夢ゆめをかなえたいから」。教育環境が整っていない世界の現状を知りたい方におススメです。そのような環境下でも、夢に向かいひたむきに勉強する子どもたちから元気をもらえます!

 

ピースボートスタッフ 村上佑理