ピースボート流 地球の遊び方~パプアニューギニアで伝統料理作り~
【ピースボート流 地球の遊び方】シリーズ

およそ100日間で地球をぐるっと一周するピースボート地球一周の船旅。訪れる港は20を越えます。その楽しみをさらに大きくしてくれるのがピースボートの「オプショナルツアー」。多種多様なツアーの魅力をお伝えしたい!ということで、実際にスタッフが参加したツアーの体験記をお届けしています。

こんにちは。ピースボートスタッフの富岡あゆみです。

100日間で地球をぐるっと一周するロマンあふれる船旅。訪問する港は20以上!その楽しみをさらに大きくしてくれるのがピースボートの「オプショナルツアー」です。

多種多様なツアーの魅力を少しでも伝えていきたい!ということで、実際にスタッフが参加したツアーの体験記をシリーズ企画としてお届けしていきます!題して「ピースボート流 地球の遊び方」。今回は記念すべき第1回目のレポートです。

オプショナルツアーって何?

寄港地では自由行動でも街歩きを楽しめますが、オプショナルツアーでは限られた寄港時間を有効につかってその土地の観光名所や世界遺産、風光明媚な景観をたずねます。

また、ピースボートクルーズは国際交流の船旅を目的とするNGOピースボートがコーディネートしている船旅です。1983年に第一回目のクルーズを就航して以降、約40年間現地の人々との交流を続けています。

ふつうの旅行ではなかなか体験できない地元の人びととの交流や文化体験、歴史探訪などもピースボートのオプショナルツアーの魅力です。

こうしたツアーはスタッフが事前に現地を訪れ、現地の旅行会社や交流パートナーとなる国や自治体、受け入れ団体となるNGOやコミュニティーと協力して作り上げています。

ピースボートの旅はツアーの種類が豊富

1つの寄港地で予定されているツアーの数は平均7種類ほどあり、内容は様々です。ツアーは大きく分けて4つのカテゴリーに分けられます。

観光:世界遺産や観光地を効率よく巡る、いわゆる日帰りバスツアー
見聞:世界各国を訪問するなかで、直接見たり聞いたりして見聞を広められるツアー
検証:社会問題や過去の歴史に目を向けて現地の専門家の案内で学びを深めるツアー
交流:現地の文化や人びとと交流する国際交流目的のツアー

このシリーズ企画では主にピースボートならではの見聞・検証・交流ツアーに焦点を当ててご紹介していきます。

パプアニューギニアで伝統料理ムームー作り体験

1回目は、私がパプアニューギニアで参加したツアーを紹介します。第101回ピースボート地球一周の船旅(2019年4月出航)でパプアニューニギアのラバウルへ寄港しました。

南太平洋に浮かぶニューギニア島の東半分と周辺の1万にも及ぶ小島からなるパプアニューギニア。島の西部には今も数十~数百人程度のさまざまな小部族が暮らしています。

各部族によって食文化も違いがありますが、今回はトーライ族が多く暮らすマチュピット島を訪問。この地域の伝統料理ムームー作りを体験しました!

ラバウルの基本情報

パプアニューギニアのラバウルは、かつて東ニューブリテン州の州都でしたが、1994年のタブルブル山の噴火により、壊滅的なダメージを受け現在は州都がココポに移されました。徐々にではありますが街の復興も進んでいます。

また第二次世界大戦当時、東部ニューギニア戦において日本軍の司令部が置かれた場所でした。多くの旧日本軍の人たちが上陸し戦死していった地でもあります。慰霊や戦跡訪問を目的として訪れる日本人観光客もいます。

伝統料理ムームーとは?

パプアニューギニアの名物料理といえば「ムームー」。ムームーはいわゆる「蒸し焼き料理」のことです。

ムームーという可愛らしい名前なのですがかなり豪快な調理法なんです。火にくべて焼いたアツアツの石を鍋に入れ、バナナの葉で包んだ主食のタロイモや肉、野菜等を入れてココナッツミルクをかけ蒸し焼きにします。

パプアニューギニアではお祝いの席には欠かせないそうです。

ラバウルマーケットで現地のお母さんと食材買い出し

ツアーがスタートしてまずは5つのグループに分かれ料理作りを教えてくれる5人のお母さんたちと一緒に買い出しからスタート!現地の青空市場や近くのマーケットで必要な食材を一緒に選びます。

日本では見かけない野菜や果物がズラリ!見ているだけでワクワクします。

グループ毎に買い物のミッションがあり、キャッサバ・タロイモを買うチームや、パパイヤやスイカなどフルーツを買うチームなど様々。

ピットピットという聞きなれない食材を買うと知って盛り上がっているグループもありました。

トーライ族の村でEnjoy cooking!

買い物後はお母さんたちの村で料理タイムです。グループごとにわかれてまずは下準備。地元の野菜やいもの皮むきにチャレンジ!これは何という野菜ですか?とお母さんに尋ねたりしながら作業をしていきます。

下の写真が市場で盛り上がった噂の野菜ピットピットです。みんなでピットピットの皮をひたすら剥いていきます。皮を剥くと中身は真っ白なので、白いアスパラガスや白いソーセージとも呼ばれているそう。さて一体どんな味なのでしょう〜?

ムームーに欠かせないココナッツミルクも自家製です。専用の器具で削ったココナッツを布でこしながら絞ってココナッツミルクを作ります。雑巾絞りのようにぎゅーっと絞ると新鮮なココナッツミルクが溢れ出てきます。

下の写真は皮をむいたキャッサバを巨大おろし器ですりおろしている様子。最初は緊張して遠くで見ていた子どもたちもだんだん近づいて話しかけに来てくれました。キャッサバはタピオカの原料なのですが何を作るのでしょう〜?

いざ蒸し焼き!

我々が食材の下処理をしている間にお母さん達が焼き石の準備をしてくれていました。

鍋に高温になった石を入れて大胆にもそこに肉を投入していきます。そしてその上に葉物野菜を敷き詰めて塩を振ってココナッツミルクをかけて蒸していきます。シュー!!と音を立て大量の蒸気が上がっていい匂い。

他にもカウカウと呼ばれる地元のさつまいもをバナナの葉で包んで蒸したり、焼き石に直にバナナを入れて蒸し焼きにしたり。このように伝統の石焼オーブンスタイルで色々な食材を蒸しました。

出来上がりを待つ間に交流タイム!

料理が蒸しに入ったら 一段落。ムームーができるまでの時間は交流の時間です。子どもたちと遊んだり近くを散歩したり思い思いに過ごします。

突然トーライ族の男性たちが来て伝統的な踊りを披露してくれました。あれっ?ツアー参加者も混ざってる?笑

伝統料理ムームーの夕食

ついにムームー完成!蒸しあがった葉を開いて夕食の準備です。バナナの葉っぱのお皿に蒸したての料理を盛っていきます。

シンプルで素朴な味わいでしたがじっくりと蒸された食材はふっくらとしていて美味しかったです。

みんなで必死に削ったキャッサバ(タピオカの原料)はバナナと混ぜられモチモチのお焼きのようなものに変身しました。自分たちで作った伝統料理ということで思い出深い味になりました。

この石焼蒸し料理、実はパプアニューギニア以外の南太平洋諸国でもポピュラーな料理法なんです。ハワイの「ウム」、フィジー諸島の「ロボ」、ニュージーランドでは「ハンギ」と呼ばれ昔から人々に親しまれています。

この地域にこの調理法が広まったのは土器文化が定着しなかったからだと考えられています。そのため鍋を使った「煮る」、「炒める」などの調理法ではなく、道具のいらない蒸し料理が根付いたのかもしれません。

いかがでしたか?市場で食材から買い出しをして現地に暮らす方と共に伝統料理を作る体験は中々個人の旅ではできないと思います。ムームー作りを通してぐっと村の人たちとの距離が縮まった1日でした。

夕食を食べた後は村の周りをみんなで散歩したのですが、その時に見た夕日が本当に綺麗で今でも忘れられない風景です。またいつか会う日まで。

 

文:富岡あゆみ