【SDGsとピースボートとわたし】女性の生きづらさと関係の深い生理について知ってほしい。

【SDGsとピースボートとわたし】シリーズ

ピースボートは、国連との特別協議資格を持つNGOとして、国連「持続可能な開発目標 (以下SDGs)」の達成を目指すさまざまなプロジェクトに取り組んでいます。そして、わたしたち一人ひとりの行動もSDGsを意識することで、よりよい世界をつくることにつながっています。ピースボートスタッフが考える、それぞれの「SDGsとピースボートとわたし」の関係を紹介します。

こんにちは。ピースボートおおさかの亀田彩香です!今回は【SDGs 5 ジェンダー平等を実現しよう】(世界中の女性や女の子に力を与えよう) について書いてゆきます。

家庭・学校・職場に今もある女性の生きずらさ

11月14日はウーマンリブの日です。明治大正時代、女性を不当な社会的束縛から解放し、女性に対する差別や不平等を解消しようとする運動が起こりはじめます。1970年11月14日、東京・渋谷で女性解放運動を高めるための日本初のウーマンリブの大会が開かれたことに由来します。

今となっては女性の社会的な地位も男性とほとんど変わらなくなり、女性も学校に通ったり仕事をしたりするのが当たり前になりましたね。そんな今なのですが、まだまだ女性が感じる生きずらさはある!という声もあがっています。

確かに思い出してみると、「女の子ならもっとこうしなさい、ああしなさい」とわたし自身、兄が2人いて男まさりで活発だったため、さんざん言われてきました。なんで女の子はこうしないといけないって決めつけられなきゃいけないのか、疑問を感じてました。

学生時代はスカートの下は冬でもタイツ禁止で生足かストッキングで寒さを耐え、夏場の制服でも白シャツの下に着る下着は白しかダメで、透けるのがすごくイヤでした。ピースボートで働きだした今でも、いくら生理休暇があるとはいえ生理がつらくて休みたいとは言いずらかったり、生理痛でも働いている人もいるから私も頑張らなきゃと思ってしまいます。家庭や学校や職場だったりでも生きづらさを感じている方はたくさんいます。

生理中は身体的にも精神的にも大変だけど、それを言えない大変さもある

生理に関してはほとんどの女性が関わることだし、人それぞれの症状もあるので、生理は女性がその生きづらさを感じるおおきな要因ではないでしょうか。中には生理のときの方が調子がいい!という方もいますが、ほとんどの女性はなにかしらの悩みがあると思います。

主な生理中の症状といえば、腹痛、腰痛、頭痛、おなかのゆるみ、倦怠感や全身のだるさ、気分の落ち込み、便秘、貧血、低血圧、吐き気、発熱など。実は生理の10日くらい前からでも身体的、精神的にも症状は現れます。それらはPMS(月経前症候群)、PMDD(月経前不快気分障害)と呼ばれています。身体的には頭痛、おなかの張り、腹痛、腰痛、むくみ、胸のはり、倦怠感、眠気、食欲の変化。精神的には落ち込みやすい、イライラ、不安感、涙もろくなる、集中力の低下、過度な情緒不安定などが現れます。

そりゃあ一回の生理で約20~120mlの経血が体内から出るのだから、一大イベントですよね。体内も忙しくなるわけです。

私自身、10代のころは生理自体は楽で嫌悪感なく過ごしていましたが、ここ2年くらいでPMS、PMDD、過多月経、腹痛、腰痛が起こるようになりました。多い日用のタンポンを使用していても3~4時間で容量オーバーになって経血が漏れて下着を汚してしまったり、あまりの腹痛で仕事に集中できないなんて日もあります。

自分が頭痛であることはサラッと言いやすいけど、生理痛は言いにくくなります。それは日本ではまだまだ性についてタブー視があるからだと思います。生理の悩みを共有しやすく、生理のない人にも生理について知ってもらいたい!「女性の秘事」というタブーを取っ払って、もっとオープンに話すことのできる社会になれば!と思って、包み隠さず、はぐらかさずに発信していきたいと思います。

まずは参考に、生理のときに使用するアイテムを紹介してゆきます♪

いろんな生理用品を試してみました

とある調査によると生理中に使用するアイテムは、ナプキン派が80%、タンポン派が3%、併用派が15%、その他が2%となっています。圧倒的にナプキンは愛されていますね。スーパーやコンビニで見かけるのもナプキンやタンポンがほとんどです。手軽に購入できるのですごくいいですよね♪

ただ気になる点をあげれば、パッケージデザインが派手で女の子らしいものばかり。FtM(戸籍上の性別は女性であるが体と心の性が一致してなく男性として生きてゆきたい人)の方では手に取るのもおっくうになる……という声も。

しかし最近は生理用品も進化しています!ジェンダー関係なく手に取りやすいパッケージデザインのものや、繰り返し使うことができ身体に優しい素材の月経カップや、下着そのものが経血を吸収してくれるというアイテムもあります!わたし自身、いろいろな生理用品にトライしてみたので、私なりのそれぞれのメリット、デメリットについて説明してゆきます♪

<左からナプキン、タンポン、月経カップ、月経ディスク>

ナプキン(下着に敷くタイプ)
メリット:安価、使い捨てで使用(繰り替えし使える布素材もあります)、装着が簡単、いちばんポピュラー!
デメリット:夏場は蒸れて肌荒れを起こす場合もある、においがダイレクト、量が多い日用のものはゴワゴワ感がある

タンポン(体内に装着タイプ)
メリット:安価、使い捨てで使用、装着が簡単、温泉やプールでも使用可能、一言でまとめると楽!
デメリット:排泄の際に体外に出ているヒモが汚れるのが気になる

月経カップ(体内に装着タイプ)
メリット:温泉やプールOK。タンポンと違って完全に体内に入るので装着感が全くない!洗って繰り返し使うのでゴミがでない。1個の月経カップは5年~10年使える。お出かけの際に生理用品を持ち歩かなくていいので荷物が減る。
デメリット:基本的にネット購入、初期費用がかかる(3,000~5,000円)、洗ったり拭いたりの手間がかかる

月経ディスク(体内に装着タイプ)
メリット:ようは月経カップのようなもので、ちがいは使い捨てで使用するところ。装着したまま性行為可能(避妊はできません)。
デメリット:ネットでしか販売がない、1個200円くらいするので安くはない。

超吸収生理ショーツ(いわゆる経血を吸うパンツ)
これに関しては使用したことありませんが、出血して30秒で97%の吸収率があって、タンポン12本分に相当する約120mlの吸収率があるのだとか。一枚7,000円くらいなので初期費用は高め。ですが漏れる心配がないだけ安心ですよね!待ち望んでいた方もたくさんいます。

以上です♪様々な選択肢があるなかで、それそれのメリットとデメリットがあるので自分にあったものを使用するのがいいかなと思います。

ちなみに、【SDGs 12 つくる責任 つかう責任】そして【SDGs 14 海の豊かさを守ろう】にも関わっていることなのですが、使い捨て生理用品の主な素材がプラスチックだということはご存じですか?ナプキンはビニール袋4枚分、タンポンは11枚分が使用されています。無意識に廃棄しているプラスチックの量にヒヤッとします。そしてじつは海洋プラスチックごみの第5位を生理用品が占めているというのも現実です。

環境汚染で地球が悲鳴を上げている現代だからこそ、繰り返し使えるような月経カップや吸収型生理ショーツがどんどん注目されているのです。地球にも体にも優しいですし、是非この機会にチャレンジしてみてはいかがでしょうか♪

わたしらしい生理ライフを過ごしたい

わたし自身、今まではタンポンとナプキンの両方使いでしたが、月経カップに出会ってからはもうずっとこれの虜です。すんごくオススメ!基本的にこれひとつで生理期間を過ごします。膣に蓋をするような感覚で使えて、ラクで装着感なく、寝ているときでさえ漏れる心配なしなのでとてもおすすめ。医療用シリコンでできているためか自然と身体に馴染むんです。

カップ内に溜まっている経血を見ると、なんだか”生きてる”って感じますし、経血の色や量や粘度が毎回違うのも、見てて愛おしささえも感じます。生理のある体でよかった、生理のある体が好きだ!と思えます。こうやって紹介していると、しんどく思う日もあるけど、なんやかんや生理のときも楽しんでいます(笑)。

今のわたしの生理ライフは、少しでも楽にすごせるようにピルを内服するという選択肢もとっています。ピルに関しては日本人女性の普及率は1.1%で(海外平均は19.2%、ヨーロッパ諸国平均では40%の使用率)、認知度も低く、勘違いも多いのですが、実はすごくすごく生理を楽にしてくれるヒーローなんです!

女性ホルモンを含んだお薬で、1日1回決まった時間に内服します。避妊を主な効能としていますが、他にも女性の身体に多くの影響をあたえます。わたしは服用するようになってから生理痛が軽くなり、月経血の量も少なくなって、メンタルも安定しました。女性ホルモンのバランスも整うので、肌がめちゃめちゃきれいになりました!ピルを服用中は妊娠することはほぼないのですが、服用を中断することで妊娠が可能になるんです。

わたしはピルに毎月3000円ほど払っていますが、3000円でこの痛みが軽くなるのなら全然出します!(笑) ピルについては、人によって合う合わないもありますし、薬なので副作用が出る場合もあります。ご自身で調べたりお医者さんに相談して納得の上で、使用をはじめてくださいね。多くの方の生理ライフが楽しいものになりますように。

 


 

さて次回は、生理についてのはなしの後編をお届けします。性や生理についてもっとオープンな社会にするためには?を考えて「生理バッジ」を任意でつけることを提案しました。実際に生理バッジを実施している会社もありますし、まぁまずは調査だと思って、ピースボートスタッフ内で、女性の生きづらさや生理についての考え方、そして実際に生理バッジをつけることはどうか?というインタビューを行いました。

人それぞれの価値観があって、なかなか面白いです!それでは、11月13日公開を、お楽しみに〜!

後編はこちらから↓

 

ピースボートスタッフ 亀田彩香