【イベント報告】わくわく寄港地~ヨルダン編~

こんにちは!ピースボートスタッフの和田有紀です。

先日、わくわく寄港地と題してオススメ寄港地の紹介イベントを行いました。今回紹介したのは中東にある”ヨルダンハシビテ王国”です。私が初めて参加したピースボートの旅で訪れた国でもあります。なかなか身近に「ヨルダンに行ったことある」という人はいないんじゃないかと思いまして、自分の体験も交えながらヨルダンの魅力を紹介しました。

「ヨルダン」と聞いてなにを思い浮かべますか?

中東と聞くと、灼熱の太陽と広大な砂漠をイメージしたり、頭に布をかぶってラクダに乗っている人々を連想したりするかもしれません。中には、ニュースや新聞を日頃から目にしていて、治安が悪く危険な場所だとぼんやりと思っている方も多いのではないでしょうか。いずれにしても、地理的にも離れていることから、みなさんにとってはあまり馴染み深い国ではないですよね。

危険な場所というイメージを持っている方も多いかもしれませんが実は日本文化がとても人気があります。ワンピースや名探偵コナン、ドラえもんなど日本のアニメやマンガを子供のころからよく見ています。また、日本食や日本の科学技術なども多くの人に知られていることから、日本という国や日本文化への関心は非常に高いと言えます。

正式名称はヨルダンハシェミット王国(ヨルダンハシミテ王国)。面積は日本の1/4北海道と同じくらいの小さな国です。言語はアラビア語、通貨はヨルダンディナールで1ヨルダンディナールは約152円です。(2021年4月時点)

実は、難民をたくさん受け入れている

東西南北をイラク、サウジアラビア、シリア、イスラエル、パレスチナといった紛争地域に囲まれています。ヨルダンでは65万人以上のシリア難民を受け入れており、こういった難民キャンプが拡大しひとつの街みたいになっています。難民を受け入れているヨルダンの人口は増え続け、世界屈指の人口増加国となり、ヨルダンの全人口の1割に達しつつあります。

また、難民を受け入れるだけではなくヨルダン政府は難民をヨルダン国民と同じように扱い、教育や保健機関などの公共サービスを提供しています。これには私も驚きました。ですが、ヨルダンは天然資源に恵まれておらずエネルギーの95%以上を輸入に頼っており、観光以外の産業もほとんどありません。これに伴う財政負担の増大が、現在のヨルダンにおいて大きな課題となっています。

実は、自然エネルギーを積極的に取り入れている

そのため、新たな取り組みとして、太陽光や風力を利用した再生可能エネルギーの開発が進んでいます。さらに近年は、アンマンを中心に電気自動車が普及し始めています。また、自然エネルギーの電力は難民キャンプにも無償で提供されています。

2008年の世界的金融危機の影響、2010年代のアラブの春、シリア内戦、などの影響から観光産業が大きな打撃を受けたため、外貨収入が激減しました。現在も新型コロナウイルスの影響を大いに受けていることでしょう。その一方で難民の流入はなくならず負担が増しているため、現在のヨルダン政府の財政は危機的な状況にあります。

ヨルダンオススメスポットベスト3

第3位 死海

もともとは海だったところが、海底隆起により海から切り離され、湖のような今の状態になっています。死海の湖面は海抜マイナス418mに位置しており、地表で最も低い場所です。海抜マイナス418mというと地表より2.4℃以上暑くなります。気温で表すと夏で32℃~39℃、冬は20℃~23℃と非常に高いため、この暑さにより水分が蒸発していき、塩分濃度の高い湖「死海」が出来たと言われています。普通の海の塩分濃度が3%に対して死海は30%、なんと10倍!!!

塩分濃度が高すぎて生物が生息できないことから死海と呼ばれています。そんな名前からは想像もつかないエメラルドブルーでリゾート感満載です。また、死海は塩分濃度が高いため身体もプカプカ浮きます。潜ろうとしても、あまりに強力な塩分濃度で水面に押し返されますのでご注意砂浜も塩が固まって岩塩のようになっており海底にはとがった岩がたくさんあるので固定出来るサンダル(ウォーターシューズ等)で行くことを強くオススメします。

また、海の水をなめてみるとしょっぱいを通り越して苦いです。死海の水は塩化ナトリウム以外の塩分も含んでおり、にがりの主成分である塩化マグネシウムも多く含んでいるため、苦味が強いです。『世界の果てまでイッテQ!』の企画で死海の水による豆腐作りが行われたこともあるそうです(笑)

そして死海に行ったらぜひやっていただきたいのが「泥パック」。ミネラル分たっぷりの死海の泥は美容にも抜群の効果を発揮します。浜辺には死海の底に沈む泥をかき集めた泥のツボがおいてあります。これを体中に塗って死海でぷかぷかと浮かびながらゆっくりと海水で洗い落とすと、海から上がれば天然泥パックのおかげでお肌はつやつやです。お土産としても購入できるので友人へのプレゼントにもオススメです。

第2位 ペトラ遺跡

これは有名ですよね。見たことある!という方も多いのでは?ペトラはヨルダン南部にあります、「岩」という意味があります。まだまだ採掘も現在進行形で行われており、19世紀に発掘されるまで長い間砂に埋もれていたまだ謎の多い遺跡です。シークという岩壁を抜けると大きな神殿が表れます。映画『インディ・ジョーンズ』で観たことのある、エル・ハズネ(ナバテア人の王の墳墓)です。高さが40mあります。

岩肌は日の当たる角度によって色が変わり、行きと帰りでは全く異なった雰囲気を見せてくれます。現在は水が流れていませんが、両側の絶壁には運河の跡が見られ、シークが主要な交通路だったことが分かります。

ペトラ遺跡の入場料は50ディナール、日本円にすると7700円と少しお高めですがここまできたらぜひ行っていただきたい世界遺産です。

第1位 ワディラム

ここを1位に選んだ理由をご紹介します。

わたしが参加者のときに乗船した第84回ピースボート地球一周の船旅で1番良かった国かもしれない(どこも良かったから比べられないんですが・・・)くらい鮮明に記憶に残っています。

ツアーをとる人が多い中、私は船内でできた友人6人と自由行動しました。ペトラ遺跡は自由行動でも行けると聞いて絶対行きたいと思っていました。2日間あったのでもう1か所行ける余裕があり調べていたら出てきたのが「ワディラム」でした。最初行きたい気持ちが強かったのはペトラ遺跡で、「ワディラム」はおまけという感覚だったので、あまり期待していませんでしたが実際訪れてみたらめちゃめちゃよかったんです。

最近では、「実写版アラジン」のロケ地としても使われて大きな話題を呼びました。2015年に公開された「オデッセイ」や2019年12月に公開の「スター・ウォーズ・エピソード9」のロケ地でもあります。

「ワディラム」は見渡す限り砂漠のようなところで砂と岩しかありません。そのため夜は満点の星空が広がっています。せっかくテントが用意されているにも関わらず、テントの中からマットレスを出してきて外で星を見ながら寝ました。夜は少し冷えますが自然のプラネタリウムって感じで最高です。

また、「無音」を始めて体験しました。無音すぎて無音の音がします。自分の鼓動なのか、地球の音なのかわかりませんが、とにかく無音という音がしました。めちゃくちゃよいです。そして自然の光、太陽とともに目覚めました。なんか、地球を体感してる感じがしたし、生きてる~って感じでしたね。

ここに行くならぜひ宿泊することをおすすめします。

さいごに

みなさんいかがでしたか?自分の中にあるその国のイメージは実際行ってみたら全然違っていて、自分の勝手な「イメージ」だったんだと固定観念を壊されることが多くあります。私はそのひとつがヨルダンでした。

ピースボートの地球一周では航路が決まっているので1つのクルーズの中でも行きたかった国とそうでない国が含まれていると思います。だけど、地球一周から帰ってきて記憶に鮮明に残っているのは「自分が行きたかった国」よりもどんな場所かどこにあるかも知らない名前も聞いたことないような国だったなんてことも多いです。

絶対自分では選ばない国にこそ「いろんな出会いや発見がある」そんな体験ができるのがピースボートの旅の良さだと思います。みなさんにもぜひ体験していただきたいですね。

 

ピースボートスタッフ  和田有紀