こんにちは、ピースボートセンターおおさかの野々村修平です。
前回のブログでは、「スタッフの個人的推し寄港地だけでつくってみた地球一周航路はこれ! 前編」ということで、地球一周を経験したスタッフによるアジア&アフリカ、そして地中海のおすすめ寄港地を紹介しました。
今回は、その後編。北欧&北米そして中南米&南太平洋を中心としたおすすめ寄港地を紹介します。
こちらの航路図のル・アーブル(フランス)からイースター島まで合計8つの寄港地の魅力に迫ります。
シンガポール→エホアラ(マダガスカル)→ケープタウン(南アフリカ)→スエズ運河通行→イスタンブール(トルコ)→ドヴロブニク(クロアチア)→モンテネグロ(コトル)→タンジェ(モロッコ)→リバプール(イギリス)→ル・アーブル(フランス)→ヘルシンキ(フィンランド)→ソグネフィヨルド遊覧→レイキャビク(アイスランド)→オーロラチャンス→モントリオール(カナダ)→プンタレナス(コスタリカ)→パナマ運河通行→バルパライソ(チリ)→ウシュアイア(アルゼンチン)→イースター島
それでは、どうぞ!
オイスターの北欧&北米 おすすめ寄港地
北欧と北米は、私・野々村修平(オイスター)が紹介します。
戦争による破壊からよみがえった世界遺産都市 ル・アーブル(フランス)
フランス北部の港湾都市ル・アーブルの中心地は、第二次世界大戦後に大規模な再建が行われました。
20世紀のフランスで活躍した建築家のオーギュスト・ペレによって再建され、コンクリートを取り入れた新しい街の景観は、世界遺産に登録されています。
フランス北西部ブルターニュ半島。北はイギリス海峡、南は大西洋に面したその半島の付け根に、息を呑むほどの美しさを誇るモン・サン・ミシェルは存在します。
今から1,000年以上前となる8世紀以来、建造、崩壊、修復を繰り返し、現在の形になったと言われています。
時代の波に翻弄され、幾度かその役割を変えてきました。14世紀に勃発したイギリスとフランスとの百年戦争の際には城塞となり、18世紀のフランス革命後にはなんと監獄としても使われました。
その後、フランスの文豪たちが美しさを賞讃したことをきっかけに修道院としての役割を取り戻し、現在もカトリックの聖地として圧倒的な存在感を放っています。
余談ですが、2008年、フランスと日本の国交150周年を記念して両国間でさまざまな観光キャンペーンが展開されました。
その1つとして2009年、姉妹都市条約が締結されて広島県の宮島とモン・サン・ミシェルは姉妹都市となっています。
「世界一幸福な国」 ヘルシンキ(フィンランド)
北欧(北ヨーロッパ)に属する国ですが、そもそも北欧とは、スカンジナビアン3王国(デンマーク・スウェーデン・ノルウェー)と、アイスランド、フィンランド、そしてバルト三国(エストニア・ラトビア・リトアニア)の計8か国を総称した地域を指します。
フィンランドの人口は約530万人。経済規模もとても小さな国です。北極圏の地域では、春には太陽が沈まない白夜を体感し、冬には満点の星空とオーロラのカーテンが見られます。
また、義務教育から高等教育が無料で、大学や大学院にも学費を大きく負担することなく進学することができます。給食も無料です。
国民全体に平等な教育の機会と高いレベルの教育を保証することを国家の指針とする「生涯学習」という考え方が根底にあることも重要です。
ヘルシンキは映画「かもめ食堂」のロケ地にもなりました。映画に登場したお店は、撮影当時は別のお店でしたが、現在はかもめ食堂(RAVINTOLA KAMOME)となっていて、映画の雰囲気を味わえます。
ヘルシンキ市内から少し郊外に抜けると、透き通った空気と広大な大自然が目の前に広がってきます。私のおすすめはヌークシオ国立公園。
フィンランドは、国土における森林率は73%と先進国の中では最も高い数値であり、湖の数は19万以上にも及びます。
フィンランドは別名「森と湖の国」とも呼称されており、国民の生活の一部に自然が必ず存在します。春は湖畔でハイキング、冬は海や湖が凍ってしまうのでスケートをしている人が多いでしょうか。
ヌークシオ国立公園へのアクセスは、ヘルシンキ中央駅からエスポー駅を目指してください。駅を降りてから一度バスに乗り換えます。
245番のバスがヌークシオ国立公園行きとなっています。30分に1本程度の運行なので、帰りのバス時刻表を必ずチェックしておきましょう。
私はこのバス時刻のチェックを怠り、現地の家族にヒッチハイクして助けてもらう羽目に。これも良い思い出です。
また、ヌークシオ国立公園内は売店やカフェなどがないので、駅のスーパーマーケットで飲食物を購入しておきましょう。
ピースボートクルーズでは初夏のベストシーズンにフィンランドを観光しますが、四季折々の姿にも注目。
秋になると、木々が黄色や茶色に姿を変え少し物悲しい表情を見せたり、冬の公園には深い雪が積もり銀世界へと表情を変えます。
ソグネフィヨルド遊覧~
氷河の浸食によって形作られた細長い入り江がフィヨルド。ノルウェーのソグネフィヨルドは世界最大級のもので、船から絶景を眺めることができます。
地球のありのままの姿を堪能する レイキャビク(アイスランド)
世界有数の火山国であるアイスランドは、火山の内部を探検するツアーも迫力満点!
また電力供給も地熱発電でまかなうことができ、さらには地熱発電に利用した残り湯を温泉水として国中で利用しています。
ちなみに、アイスランドは、北アメリカプレートとユーラシアプレートが重なるため、地震があるという点でも日本と共通点があります。
アイスランド南西部の「ゴールデンサークル」と呼ばれるエリアには、大自然を満喫できる3つの観光スポット(シングヴェトリル国立公園・グトルフォスの滝・ストロックル間欠泉)があります。
シングヴェトリル国立公園では、ユーラシアプレートと北アメリカプレートが互いに引っ張り合ってできた、地球の割れ目といわれる「ギャオ」が見られます。
グトルフォスの滝は、氷河から溶け出した白濁した水の流れが轟音を立てて落ちていく壮大な滝です。
黄金の滝を意味するグトルフォスは冬でも凍らないため一年を通して見ごたえのある姿を見せてくれます。
天高く吹き上がるストロックル間欠泉は地球の鼓動を感じさせる豪快な風景。5~10分おきに噴出する水柱は二度三度と続いて上がることもあり、高さは30メートルを超えることもあるんだとか。
そして世界最大の温泉施設であるブルーラグーンも有名です。湖のように大きくて開放感であふれています。
乳白色をした温泉水は、皮膚病に効果があるそうで治療目的でブルーラグーンを訪れる人も多くいるみたいです。泥パックを顔に塗って美白効果を堪能しましょう。
オーロラチャンス!
フランス文化をベースに伝統と最先端が混ざり合う街 モントリオール(カナダ)
モントリオールはトロントに次ぐ、カナダで2番目に人口の多い都市です。
北米で唯一フランス語が公用語となっているケベック州の中心であり、道行く人たちがフランス語を話し、街にはフランス語の看板など、北米の他の都市とは全く別の雰囲気を醸し出しています。
そうしたフランス文化の影響を受け「北米のパリ」と呼ばれています。
芸術の町としても知られるモントリオール。モントリオール国際映画祭をはじめ、シルクドゥソレイユもモントリオールが本拠地なんです。新作はモントリオールから大抵始まるんだとか。
圧巻のステンドグラスが輝くモントリオール・ノートルダム大聖堂は、1672年にカトリック教会の聖スルピス会によって建設されました。
建設当初は小さな教会でしたが、街が発展し教会が手狭になったため、19世紀初期に大聖堂の改築が行われます。
1830年にメインの聖堂ができあがると、続けて1841年に一つ目の塔が完成。1843年には二つ目の塔も完成し、北米最大規模を誇る教会としての歴史を歩み始めました。
また秋のモントリーオールでは紅葉がセットで楽しめます。
ピースボートの船旅では大西洋と五大湖を結ぶセントローレンス川を航行しながら、ゆっくりと色とりどりの紅葉を船の上から満喫できるんです。
トミーの中南米&南太平洋 おすすめ寄港地
最後は富岡あゆみ(トミー)より中南米と南太平洋の島をご紹介。その前にパナマ運河を渡りましょう。
パナマ運河を通過~
エコツーリズムの聖地 プンタレナス(コスタリカ)
「コスタ・リカ(豊かな海岸)」の名の通り国土の4分の1が国立公園に指定されていて、熱帯雨林あり、火山あり、真っ青な海ありと動物や植物の宝庫です。
またエコツーリズムの先進国として知られており、国を挙げて取り組んでいます。
ピースボートではコスタリカの大自然を満喫できるツアーが充実。
おすすめは、400種類以上の鳥類が生息するモンテベルデ自然保護区で樹上の鳥たちを観察するツアー!
「世界一美しい鳥」と言われるケツァールに出会えるかも!?
コスタリカ共和国は、軍隊を持っていない国としても有名です。1948年に軍隊を廃止してから非武装を貫いています。
戦争をしないという平和憲法がある点では日本と同じですが、コスタリカは日本の自衛隊に値する仕組みすらないことには驚きです。
内戦という悲しい過去から、軍事費用を教育に充てるほうが、幸せになれるのだと学んだからなのです。
平和憲法を変えようという動きのある日本にとってもコスタリカの「今」を学ぶことは重要かもしれません。
コスタリカに来ると必ずと言っていいほど耳にする『プラビダ(Pura Vida)』という言葉があります。
コスタリカ人の口癖といっても過言ではないくらい頻繁に使用されています。
直訳すれば「純粋な人生」となりますが、直訳の意味はあまり気にせず、「GOOD」「最高!」などと言いたいときに使われたり、道で友達と会ったときなんかの挨拶がわりとしても使われたり…、とにかくいろんな場面で耳にするはずです!
ぜひこの言葉を使ってみてください!
コスタリカはコーヒーがおすすめ!18世紀にキューバからコーヒー豆が持ち込まれ、中米で最も早くコーヒー栽培が始まったコスタリカ。中米屈指のクオリティを誇ります。
また自然環境に配慮した生産方法がとられているのも環境先進国ならではの特徴。
ピースボートの船旅では、コーヒー農園や木の工芸品で知られる郊外の村「サルチー村」を訪ねるツアーもおすすめ!
お土産にはぜひコスタリカ・コーヒー豆をどうぞ♪
街そのものがアート バルパライソ(チリ)
バルパライソは首都サンティアゴに次ぐチリ第2の都市。スペイン語で「天国の谷」の意味をもち、港を中心にすり鉢状の急斜面に街並みが広がります。
古くから海上貿易の拠点として栄える風光明媚な港町です。街全体が世界文化遺産に登録されています。
この街並みが迎える入港シーン、そして出港の夜景は必見です。
南米はカラフルな建物が連なる街が多いのですが、このバルパライソはただ建物に色をつけただけではなく、数々の不思議なアートが描かれています。
別名「青空美術館」と称されています。街全体がアート作品のよう。のんびり散歩しながら街をまわるのがおすすめです。
急斜面に街並みが広がるバルパライソには「アセンソール」とよばれる重力を利用したケーブルカーがあります。
非常にレトロな作りなので乗るときはドキドキしますが是非アセンソールに乗って丘の上から美しい街並みを眺めてください。
長い海岸線を持つチリは、海の幸にも恵まれています。
「パイラマリーナ」はチリの伝統的な海鮮シチューです。「パイラ」と呼ばれる土器製の器に入れて提供されます。「マリーナ」は、スペイン語で海という意味。
その名の通り、海の恵みがたっぷりと詰まった至高の海鮮スープです。
こちらは私が食べたパイラマリーナ。Bar la Playa Valparaísoというお店です。
私が今まで食べた海鮮スープでベスト1です。チリ産の白ワインと一緒にどうぞ!
世界最果ての街 ウシュアイア(アルゼンチン)
ウシュアイアはアルゼンチン南端の港町。
南米大陸のさらに南、フエゴ島という孤島に位置することから「世界の最果て」や「世界最南端の街」と呼ばれ、20世紀前半には流刑地とされた歴史もあります。
またウシュアイアは南極大陸まではおよそ1,000㎞の距離にあり「南極に最も近い街」とも呼ばれています。
夏を迎えると、世界中から多くの旅行者が南極クルーズに参加するためにこの街に集まります。
ちなみに2019年、それまで世界最南端の村とよばれていたチリのプエルト・ウィリアムズが「市」に格上げされたことで、厳密にはプエルト・ウィリアムズが世界最南端の街となりました。
ウシュアイアでは、郵便局や博物館をはじめ、実に多くのものに「世界最南端の」という冠がつきます。
それらの中でも、世界最南端の鉄道・南フエゴ鉄道は特に有名です。街の南西に位置する「世界の果て駅」からは、美しい滝や湖を望むことができます。
そして、私のオススメは 世界最果ての郵便局から手紙を送ること!
ウシュアイア郊外のティエラ・デル・フエゴ国立公園には、世界最南端の郵便局があります。
ここから手紙を投函すれば、1ヶ月ほどで日本に到着するのだそう。
世界の果てを意味する「FIN DEL MUNDO」のスタンプが押された手紙。旅の記念として自分宛に送るのもまたおすすめ!
ちなみに私は世界最南端の郵便局へ行く時間がなく、街に設置されていたポストから家族に手紙を出しました(笑)。
いつかリベンジしたい!
アルゼンチンは牛肉の生産量・消費量は共に世界1位なのですが、ウシュアイアは羊肉のアサードが有名です。
アサードは、アルゼンチン、ウルグアイ、パラグアイの国民的な伝統料理です。
スペイン語で「焼かれたもの」を意味して、たき火や無骨な鉄網で、1時間以上かけてじっくりお肉を焼き上げるのがアサードの特徴です。
モアイ!モアイ!モアイ! イースター島
イースター島はチリ領ですが、首都のサンティアゴから約3,700kmも離れた太平洋上にぽつりと浮かび、島の周り2,000㎞以上は有人の島がないことから「絶海の孤島」と呼ばれています。
イースター島は英語名で、チリでは「パスクア島」と呼ばれています。これはあくまで外から占領した人がつけた名前であり、現地島民は「ラパ・ヌイ(=広い大地)」と呼んでいます。
おにぎりのような三角形の島で、約1/3がラパ・ヌイ国立公園(ユネスコの世界遺産)に指定されています。
日本でいうと香川県の小豆島より少し小さいくらいの大きさ。半日あれば車で一周もできちゃう位の広さです。
またイースター島は海がめちゃくちゃ綺麗です。イースター島に近づくにつれ、海の青色がどんどん深くなるのを実感するはずです。
モアイ像は島に約1,000体が点在しています。ちなみに人口は7,000人前後なので、だいたい8人に1人はモアイ像です(笑)。
巨大な石像モアイは、村を守る祖先の像として10世紀から16世紀まで作られたと言われています。
これらのモアイ像は、何のために造られたのか、どうやって運ばれたのか、そのほとんどが謎に包まれたまま!
いまだ解明されていない文明の謎や様々な伝説が残っているので、世界7不思議の1つともいわれています。
とにかく島中モアイ像だらけ。「モアイ」と言っても立っていたり倒れていたり、埋まっていたり作りかけだったり。その姿も大きさも表情も様々なんです。
ぜひ、お気に入りのモアイを探してください。
モアイの製作工場だったと言われているラノ・ララク、島で唯一目がはめ込まれているアフ・タハイにあるアフ・コテリク、赤い帽子プカオが乗っているアフナウナウ等々、様々なモアイが島中に点在しています。
そして一番のビュースポットは「アフ・トンガリキ」。15体のモアイ像が並びます。
ちなみにアフ・トンガリキの15体を見下ろす丘には、なんと「日本渡航経験モアイ」もいます。
1970年の大阪万博の際に来日したそうです。「モアイ・ハポネス(日本のモアイの意味)」の愛称があります。
お土産もやっぱりモアイです。お気に入りのモアイをお家に飾りましょう。
我が家では2体のモアイが玄関で毎日お出迎えしてくれています。
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
いかがだったでしょうか?
もっと寄港地について知りたいと思った方は、お気軽にピースボートセンターおおさかまでお問い合わせください。
そして、現在募集中のピースボートクルーズはこちらのサイトからご覧ください。
この記事が、みなさんの地球一周の参考になれば幸いです。
文:野々村修平、富岡あゆみ 編集:森田幸子