人も地球も大切にするコーヒーの世界
【SDGsとピースボートとわたし】シリーズ

ピースボートは、国連との特別協議資格を持つNGOとして、国連「持続可能な開発目標 (以下SDGs)」の達成を目指すさまざまなプロジェクトに取り組んでいます。そして、わたしたち一人ひとりの行動もSDGsを意識することで、よりよい世界をつくることにつながっています。ピースボートスタッフが考える、それぞれの「SDGsとピースボートとわたし」の関係を紹介します。

世界で最も愛される飲み物

<アイスランドでコーヒータイム>

こんにちは!ピースボートスタッフの大西真央(通称:れたす)です。

皆さん、コーヒーは好きですか? 実はコーヒーは世界で最も愛されている飲み物で、日本はコーヒーの消費量がなんと世界第4位。

近年は健康やダイエットにも良いと注目されていますが、「コーヒー2050年問題」など世界規模の課題にも直面しています。

私はピースボートに関わる中でSDGsについて学んだり、様々な取り組みがあることを知りました。

「自分もSDGsに取り組んでみたい。普段つかっているものや行動で気軽に取り組めないか?」と考えていたところ、大好きなコーヒーに目がとまり、調べていく中でコーヒーもSDGsに大きく関係していると知りました。

<韓国でコーヒータイム>

そんなわけで、今回はコーヒーとSDGsの関係について話したいと思います! コーヒーを通してSDGsがより身近になってくれたらうれしいです。

また、最後に世界の独特なコーヒーの飲み方も紹介するので、これを読んだ後はきっとコーヒーが飲みたくなるはず!

1日3杯のコーヒー習慣は健康にいい

コーヒーを常に飲んでいる人は飲んでいない人に比べて死亡率が24%も低く、コーヒーを飲まない人より、1日3〜4杯飲む人は心疾患が36%、脳血管疾患が43%、呼吸疾患が40%も低くなるという結果が出ています。

コーヒーには抗酸化物質や、健康作用が期待できる成分が豊富に含まれていることで、死亡リスクが軽減すると考えられています。

そのほか、パーキンソン病の抑制や他の疾患にも効果があるとされています。

飲みすぎるとカフェイン中毒や逆に死亡率が低くなりにくくなってしまうので、多くても1日4杯までとしておきましょう。

SDGsに貢献できるスペシャルティコーヒー

コーヒーにはランク付けがあり、その最高峰がスペシャルティコーヒー。

  1. 品質が優れている
  2. トレーサビリティがとれる(生産から消費までの追跡が可能)
  3. サステナビリティがある(持続可能である)

この3つの条件を満たすように作られているコーヒーです。

スペシャルティコーヒーを選ぶことでSDGsに貢献することができます。

フェアトレードでコーヒー農家を応援

コーヒーの生産地は多くが発展途上国です。

どれだけ品質の高いコーヒーを生産しても、弱い立場にいるコーヒー農家にはわずかな収入しか入りません。これがコーヒー農家の貧困に繋がってしまいます。

ですが、スペシャルティコーヒーはコーヒーの品質により価格が決まります。農家は品質の良いコーヒーをつくることで収入を増やすことができます。

スペシャルティコーヒーを買うことは、海の向こうでコーヒー豆を栽培している人々の安定した生活に繋がっています。

いつまでも飲み続けたいから環境を守る

気候変動はコーヒー生産に直接影響する深刻な問題です。

このまま気温上昇が続くと、2050年にはコーヒーの栽培地が半減してしまうという「コーヒー2050年問題」の心配があります。

そこで多くのスペシャルティコーヒー生産地では、まわりの自然環境を守りながらコーヒーを生産する取り組みがされています。

私たちが毎日飲む1杯のコーヒーをスペシャルティコーヒーに変えるだけでSDGsに貢献できる。すごく手軽だと思いませんか?美味しいのは間違いないですしね!

スペシャルティコーヒーを飲もう

私はスペシャルティコーヒーを取り扱っているカフェに行ったりなどしています。

実は、ピースボートセンターおおさかのある中崎町にスペシャルティコーヒーが飲めるカフェがあるんです。落ち着いた雰囲気で静かに過ごせるおすすめのカフェです。こちらのお店は店内撮影できませんので、あなたとコーヒーだけの世界をお楽しみください。

スペシャルティコーヒーを購入する時の見分け方はラベルです。スペシャルティコーヒーは生産されている過程や品質を重視しているため、ラベルに事細かく書かれています。

スペシャルティコーヒーには、生産国や農園名、品種、標高や栽培情報、精製方法、味や風味特性が明記されています。

スペシャルティコーヒーの普及を目指している「日本スペシャルティコーヒー協会(SCAJ)」に属しているショップで買うのもひとつです。

コーヒーは飲んだ後も使える

ドリップコーヒーやコーヒーメーカーを使っている方にぜひ挑戦してもらいたいのが、コーヒーかすの再利用です。

家庭で簡単にできる方法を紹介します!

消臭剤・脱臭剤

コーヒーかすには、消臭・脱臭の効果があるので、靴やタバコの灰皿、トイレ、冷蔵庫、瓶やタッパー、鍋、魚焼きグリルなどの消臭・脱臭剤として使用することができます。

コーヒーかすをフライパンで炒ったり、お皿にのせてレンジ(600W)で3~4分加熱すれば乾燥できます(この方法だと、レンジも脱臭してくれるので、一石二鳥です♪)。

乾燥させたコーヒーの粉を袋や布にくるむか、もしくは蓋の開いた容器に入れます。あとは消臭・脱臭したいところに置くだけ!

入浴剤

コーヒーの香りが好きな人には、入浴剤代わりにするのもおすすめ!

使い方は簡単で、コーヒーかすをさらし袋などに入れて、お風呂に入れるだけです。

洗剤

グラスや瓶などガラス製の食器を洗うときに、コーヒーかすを洗剤代わりに使うこともできます。

コーヒーかすを少量入れて振り洗いすると、食器がきれいになります。油で汚れた食器なども、コーヒーかすをつけてこすれば汚れが落ちます。

化学製品をつかっていないので、地球にも優しいです。

世界の独特なコーヒー

<フランスでコーヒータイム>

最後におまけとして、世界のおもしろいコーヒーの飲み方を紹介します。

世界で最も愛されている飲み物とあって、どこへ行ってもコーヒーは飲めます。ですが、飲み方は世界各地でさまざま。

世界各国の人々はどのようにコーヒーを楽しんでいるんでしょうか?

エリニコ・カフェ(ギリシャ)

Photo by Nick Karvounis on Unsplash

ギリシャのイカリア島は90歳以上が多い長寿の島と言われており、その長寿の秘訣がエリニコ・カフェ(ギリシャコーヒー)だと言われています。

小さい鍋でコトコトとコーヒーと砂糖を煮込んで、小さいカップに入れて飲みます。コーヒーの粉ごとカップに入れるので、コーヒーの粉は飲まないように上澄みだけすするように飲みます。

ギリシャで古くから飲まれる伝統的なコーヒーなのですが、実はテュルク・カフヴェスィ(トルココーヒー)というトルコで昔から飲まれているコーヒーとほぼ同じです。

トルコでは熱い砂の上で加熱したり、甘いお菓子と一緒に飲まれています。

カフェ・チュン(ベトナム)

「ベトナミーズ・エッグコーヒー」とも言われているベトナムで愛されているコーヒー。

卵の黄身とコンデンスミルクを軽くてクリーミーな泡にして、コーヒーに混ぜて飲みます。カスタードクリームのようなクリームとコーヒーのほろ苦さの相性が好きな人は大絶賛な飲み方です。

アイリッシュコーヒー(アイルランド)

冷えた体を温めるために作られたアイリッシュコーヒーは、ホットコーヒーにアイリッシュウイスキーとブラウンシュガーを足して、ホイップクリームを浮かべたデザート感の強いコーヒーです。

ユンヨン(香港)

香港では他の国とは違ったコーヒーの飲み方をします。

ユンヨンはコンデンスミルクを入れた自家製ミルクティーと淹れたてのコーヒーを混ぜたもの。簡単に言えばコーヒー紅茶で、茶葉とコーヒーの香りが一度に味わえます。

カフェオスト(フィンランド)

フィンランドのコーヒーには、なんとチーズが入っています!

カフェオストはその名の通り 「コーヒーチーズ」 という意味で、ユーストレイパという乾燥チーズをカップに入れてコーヒーを注ぐと、チーズがスポンジのようにコーヒーを吸うのだそう。

カフェオストには、木製カップを使うのがフィンランド流。

<アイスランドでコーヒータイム>

他にも紹介したい世界のコーヒーがありますが、おまけの域を超えてしまうので、今回はここまでにしておきます。

改めてみると私たちが普段コーヒーに入れなさそうなものばかりでしたね(笑)。

日本国内でもベトナムのエッグコーヒーやトルココーヒーなどを扱っているお店があるので、見つけたらお試しあれ~。

コーヒー習慣を楽しもう

<カナダでコーヒータイム>

いかがでしたか?

普段のコーヒーが健康につながり、品質に見合った価格のものを選ぶことで生産者を豊かにする手助けができ、そして使用したコーヒーかすも再利用することができる。

つまり、簡単にSDGsに取り組むことができるのです。

なんだか、私たちにもできそうな感じがしませんか?

スペシャルティコーヒーに変えてみたり、お好みの飲み方でコーヒー習慣を続けてみたり、ぜひみなさんの取り組みやすい方法でチャレンジしてみてください。

 

ピースボートスタッフ 大西真央